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- 科名・属名 : ラン科 エビネ属
- 特徴 :
草丈30〜40cmの多年草。
偽球茎は数個接して並び、1偽球茎から2〜4個の葉をつける。葉身は楕円形〜卵形、長さ15〜30cm、幅5〜10cm。先は急鋭尖頭、基部は長さ7〜10cmの葉柄に続く。表面は光沢があり、裏面に細毛を密生する。
花は花茎の先に10〜15花がつく。苞は楕円形、緑色で長さ15mm、幅3〜10mm、永存性。萼片は広倒卵形、白色であるが外側は緑色で、褐色の短毛がある。側花弁は円みのある菱形、鈍頭で白色、長さ約8mm。唇弁は白色、基部に紫色のぼかしがあり、長さ約2cm、深く3裂し、側裂片は細長く、長さ約12mm、中央裂片は左右に広がる広倒卵形、長さ約12mm、先は2裂する。唇弁の内側基部に黄色い3裂の肉質隆起がある。距は長さ5〜8mm、内面に毛がある。花茎に苞、子房とともに細毛がある。
果実(刮ハ)は長楕円形。
別名 ヒロハノカラン
- 分布・生育地 :
九州(南部)〜沖縄 (国外:中国(南部)、台湾〜ヒマラヤ) 暖地の常緑広葉樹林下
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2007年6月30日 鹿児島県屋久島 中上・全体2 2020年6月24日 鹿児島県大隈半島 中中・全体3 同 上 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 2007年6月30日 鹿児島県屋久島 左下・花2 2019年7月11日 宮崎県南那珂郡 右下・葉 2018年4月21日 鹿児島県屋久島
- 撮影記 :
この花の咲くのは梅雨の最中、そうでなくとも雨の多い屋久島へこの時期出かけるのは賭けのようなものである。
予想通り朝の天気予報は「曇り時々雨、降水確率70%」と、出鼻をくじかれる。鹿児島市内も激しい雨で先が思いやられた。
ところが、屋久島に着くと青空が顔を覗かせている。雨の降らないうちにと急いで自生地に向かった。
やや薄暗い林下、草むらを掻き分けていくと、林下に特徴あるエビネの葉と、白い花が見えた。予想通り花期はピッタリだ。ただ、株が貧弱なせいか花付が今一つだ。他にも何株か見つけたが、満点をあげられる花はなかった。
暗い樹林下の白い花は、白飛びして写真にならないことが多い。そのうえ、雨の心配どころかピーカンの天気で木漏れ日も避けねばならず、撮影には大いに苦労する破目になった。
屋久島以外では少ないのかなと思っていたら、九州南部でも各所で花に出会い、大隈半島では多数の自生を見ることができた。
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