ガンゼキラン(岩石蘭)

Phaius flavus


ガンゼキラン1

  • 科名・属名 : ラン科 ガンゼキラン属

  • 特徴 :
     草丈40〜60cmの多年草。
     根元には円錐状のバルブ(偽鱗茎)になり、卵状円錐形で稜があり、長さ3〜5cm。
     葉は3〜5個つき、狭長楕円形で大型、長さ30〜50cm、幅5〜8cm。両端は細まり、縦じわがある。
     花茎は側生してやや太く直立し、やや疎らに5〜18個の淡黄色の花をつける。苞は膜質で長楕円形、長さ1.5〜2cm。萼片と側花弁はやや厚い肉質、狭長楕円形で鈍頭、長さ3〜3.5cm、幅1〜1.5cm。唇弁は少し短く、くさび状倒卵形で基部は蕊柱を包み筒状、先端は細かい襞があり茶色(褐色)を帯びる。基部は短い距となり、披針状で後方に突出し、長さ7〜8mm。
     葉に黄色の斑点のあるものを(左・右下の写真)、
     ●ホシケイラン(f. punctatus)といい、同じ群落の中に咲いていることが多い。この黄斑はウイルスによるものといわれている。

  • 分布・生育地 :
     本州(伊豆諸島、静岡県、紀伊半島)〜沖縄 (国外:台湾、中国〜ヒマラヤ、東南アジア、メラネシア)
     暖温帯〜亜熱帯の常緑広葉樹林下

  • 花期 :   

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1997年5月11日  鹿児島県加世田市
     中上・全体2    同  上
     中中・全体2 1987年6月14日  静岡県天竜市
     中下・花 1997年5月11日  鹿児島県加世田市
     左下・ホシケイ    同  上
     (上、中上、中中、左下は拡大写真あり、写真をクリック)
     右上・葉 2018年4月12日  鹿児島県屋久島
     右下・ホシケイ葉 1997年5月11日  鹿児島県加世田市

  • 撮影記 :
     初めてこの花を見たのは、分布の北限である静岡県のある川の近くで、わずか数本だけ生えていた。
     鮮やかな黄色とオレンジ色の花や根元の大きなバルブに、南方系のランの雰囲気を感じた。
     このランは、南の地方へ行くと決して珍しいものではなく、場所によっては谷筋に100本以上の株が群生していて、暗い林下を明るくしてくれる。
     ただ、沖縄では非常に少ないようで、まだ沖縄では開花した株を見たことがない。
     ホシケイランは単独で見られることはないようで、ガンゼキランの中に混じって生えていて、静岡でも鹿児島でも同様だった。

  • 葉

    ホシケイラン葉

    同じ科の仲間の花
ガンゼキラン2

ガンゼキラン3

花

ホシケイラン