ハツシマラン(初島蘭)

Odontochilus hatusimanus


ハツシマラン1

  • 科名・属名 : ラン科 イナバラン属

  • 特徴 :
     草丈10〜15cmの多年草。
     葉は互生、4〜7個つき、葉身は卵形〜楕円形、長さ2〜4cm。縁は波打つ。
     花は茎頂に総状花序に3〜7個がやや密につき、白色〜帯紅色。花茎、苞、子房、萼片の外側にあり粗い毛がある。苞は披針形、長さ6〜8mm。背萼片は卵形、側萼片は広卵形、長さ約3mm。側花弁もほぼ同長で背萼片と密着する。唇弁は萼片より長く、爪部は卵形、内面の基部に角状の突起が2個あり、舷部の先がY字に分かれる。

  • 分布・生育地 :
     九州(福岡、鹿児島) (国外:日本固有)
     常緑広葉樹林下

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年7月24日  福岡県
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     一次のレッドデータブックでは絶滅となっていた。その後、鹿児島で再発見された希少なランである。
     ある情報から2003年、福岡県の山へ出かけた。このあたりの林下ではないかと探すと、数株白い花を咲かせているランを見つけた。
     花の特徴は鹿児島の株を見た人の話とも一致し、間違いなく本種だと判断した。
     残念ながら花期には少し早めで1花しか咲いていなかった。
     このため、2004年再挑戦した。今度は数花咲いている株があり、やっと目的を達成した。
     ただ、イノシシの踏み荒らしなどで株数は大きく減少しており、ここも近いうちに絶滅してしまうかもしれない。
     和名は九州〜南西諸島の植物の権威、初島住彦氏の名からとられ、学名にもつけられている。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ハツシマラン2

花