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- 科名・属名 : ラン科 ヒメノヤガラ属
- 特徴 :
草丈5〜20cmの腐生ラン。
根茎はやや太く、横に這い、小型の鱗片がある。
茎はやや肉質、赤みを帯びた褐色〜淡紅色で鱗片葉を互生する。鱗片葉は長さ4〜10mm、膜質で基部が鞘となる。
花は総状花序で5〜10花つき、赤みを帯びた褐色、花柄子房は花茎に沿って上方に伸び、花被片は直角に曲がる。苞は卵状長楕円形〜卵形、長さ5〜8mm。萼片は長卵形、側花弁は狭長楕円形、長さ3〜4mm、筒状になり先がわずかに開く。唇弁は上に付き、先がT字に分かれ、長さ約6mm。
- 分布・生育地 :
本州(岩手県以南)〜九州 (国外:朝鮮(南部)、中国(南西部)〜ヒマラヤ) 暖温帯の林下
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2002年7月6日 神奈川県中郡 中上・全体2 2016年7月30日 広島県神石郡 中中・全体3 2022年7月2日 神奈川県中郡 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 2002年7月6日 同 上 左下・花2 2022年7月2日 同 上 右下・鱗片葉 同 上
- 撮影記 :
最初にこの花に出会ったのはあの牧野博士が良く通った高知の横倉山だった。しかし、花には少し遅めで記録するに留まった。
その後、伊豆七島でも見たがいずれも遅く、図鑑に記載の7〜8月でも早い時期ではないかと思い、やっと7月初め神奈川県のある低山で撮影できた。
花のアップでわかるように普通のランと異なり、この花は唇弁が花の上側につく。
ただ、神奈川県で花弁が開く花を見て、最初の頃見ていた花弁が閉じた花はやはり遅いのだと思っていたが、広島県で出会った花は花弁は閉じたまま終わってしまうと地元で観察している方に聞いた。
広島県でも少し開く花は別の地域にあるようで、それからするとこの花は花弁が開くものばかりではなく、閉じたまま終わってしまう花と2タイプあるのでないかと思われる。
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