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- 科名・属名 : ラン科 ヤチラン属
注.APGV分類では、オキナワヒメラン属、学名(Crepidium ophrydis)
- 特徴 :
草丈20〜30cmの多年草。
葉は4〜5個つき、長楕円状楕円形〜卵形で、長さ12〜22cm、幅4〜7cm。先は短く尖り、やや膜質で縦シワがある。葉柄は鞘状、長さ4〜7cmの葉鞘がある。
花は花茎の先に5〜20cmの花序となり、黄緑色で多少紫色の部分があり、長さ約3mm、幅約1.5mmの小型の花を多数密生する。苞は長さ約5mm、反曲する。萼片と花弁は前方に湾曲し、背萼片は長さ3mm、幅約1mm、側萼片は長さ約3mm、幅約1.5mm。唇弁は長さ、幅とも約2mm、先は3裂し、中央裂片は狭く、側裂片は幅広く、鈍頭。
- 分布・生育地 :
沖縄(沖縄島、八重山諸島) (国外:中国(南部)、台湾、熱帯アジア、オセアニア) 常緑広葉樹林下
- 花期 : (6)〜8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2010年9月12日 沖縄県西表島 中上・全体2 2013年6月26日 沖縄県国頭郡 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 2010年9月12日 沖縄県西表島 左下・花 2013年6月26日 沖縄県国頭郡 右下・葉 2010年9月12日 沖縄県西表島
- 撮影記 :
西表島の自生地は何ヶ所か聞いていたが、花期と訪問時期とが合わず未撮影になっていた。
9月初め、この時期ならこの花はきっと咲いているはずと、西表島のある自生地を訪れた。
大きな台風が来なかったせいか、イリオモテクマタケランの黄色の実がよく目につく。
前年、確認しておいた場所に着くと、薄暗いコシダの下に花穂が立っているのが目に入った。
やっとこの花に出会うことができた。アップで見ると小さな花がびっしりとついていた。
しかし、こんなパッとしない花のランでも採取されるらしい。撮影後はまたシダの陰になるよう周囲を整えた。
このラン、八重山諸島だけが自生地とされていたが、最近沖縄本島でも見つかったとのことで、早速撮影に出かけた。
確かに全体の姿や花の形はよく似ていたが、花の色が全く異なり、花期も異なるなど、同一種とは思えなかったが。
(注.改訂新版「日本の野生植物1」ではこの花の沖縄島の分布は記されていない)
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