フウラン(風蘭)

Neofinetia falcata


フウラン1

  • 科名・属名 : ラン科 フウラン属
     注.APGV分類ではヒスイラン属(Vanda)、学名(L. falcata)

  • 特徴 :
     草丈10〜15cmの多年草。着生。
     根は細長く、四方に広がる。
     茎は短く、基部で分枝し、葉鞘で密に覆われる。
     葉は2列に互生、葉身は広線形、長さ5〜10cm、幅7〜8mm。質は革質で硬く大きく曲がり、断面はV字形で、背面に鋭い稜がある。
     花は下部の葉鞘の腋から、長さ3〜10cmの花茎を出し、先に総状に3〜10個の白色の花をつける。苞は卵状披針形、長さ4〜7mm。萼片と側花弁は線状披針形で鋭頭、長さ約1cm。唇弁は長さ7〜8mm、中部付近で浅く3裂し、側裂片は半円形、中裂片は狭卵形。距は線形、唇弁の基部から前方に大きく湾曲して下垂し、長さ4〜5cm。蕊柱は長さ約2mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(茨城県以南)〜沖縄 (国外:朝鮮(南部、済州島)、中国(東南部)
     暖温帯〜亜年帯の主に海岸近くの樹幹、岩上に着生

  • 花期 :   6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2010年7月25日  京都府丹後半島
     中上・全体2 1984年7月8日  静岡県磐田郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2010年7月25日  京都府丹後半島
     中下・花 1984年8月12日  静岡県磐田郡
     左下・果実、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     本土常緑広葉樹の樹幹に着生していることが多いが、南西諸島では海岸の岩場に着生している。
     夏に白い花を咲かせ、群生することもあり、千葉県のある場所では、遠くからも樹幹が白く見えるくらいであった。
     静岡県ではある寺の千両の木に着生していた。種が飛んだのか、近くの柿の木にも小さな株がいくつかあった。
     このように近くの木に種が飛散して着生している例は、各地で目にする。
     江戸時代から富貴蘭として、長生蘭というセッコクとともによく栽培されていた。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
フウラン2

花序

花

果実(刮ハ)