イイヌマムカゴ(飯沼零余子)

Platanthera iinumae


イイヌマムカゴ1

  • 科名・属名 : ラン科 ツレサギソウ属

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     葉は茎の中ほどに2個やや接近してつき、葉身は長楕円形、長さ8〜15cm、幅2〜4cm。縁はやや波打ち、基部は鞘になる。上部には披針形の鱗片葉がつく。
     花は茎頂に穂状に多数つき、黄緑色〜淡緑色で、径約5mm。背萼片は卵形、長さ1.5〜2mm、側萼片は狭長楕円形でやや長い。側花弁は狭卵形、背萼片と同長で、萼片とともに兜状になる。唇弁は舌状、白色、長さ2〜3.5mm、基部の左右に小さな鋭頭の側裂片がある。距は根棒状で下垂し、長さ1〜1.5mm。蕊柱は短く、葯室は平行。花粉塊はクリーム色。
     和名のイイヌマは植物学者の飯沼慾斎を記念し、牧野富太郎氏がつけたもの。

  • 分布・生育地 :
     北海道(南部)〜九州 (国外:日本固有)
     山地の林下

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2009年7月25日  徳島県名東郡
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     希少種といわれるランの自生株に多数出会ってきているが、それほど珍しくないはずのこの花には縁がなかった。
     千葉県のある山では、生育密度「中」という分布調査があり、何度かトライしたが空振りで、個人的は超希少種の位置づけになっていた。
     四国の花仲間とふとした拍子にこの花が話題となり、徳島県のある場所に出かけることになった。
     その日は1日中雨の天気予報、しかし、現地は曇りで時には薄日も差す絶好の条件。疎林下の斜面に点々と株があり大喜びした。ただ、花つきは良くないらしく、花をつけている株はいくつもなかった。
     アップしてもそれほど美しい花とは思えないこの花の撮影に1時間以上かけていると、撮影が済むまで待っていてくれたかのように雨が降り始めた。

  • 葉

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イイヌマムカゴ2

花