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- 科名・属名 : ラン科 イモネヤガラ属
- 特徴 :
草丈30〜60cmの多年草。菌従属栄養植物。
根茎は塊状または球状になる。
花茎は直立し、淡紫褐色で、長楕円形の鱗片葉が少数つく。
花は茎頂に総状花序になり、紫褐色の花をややまばらに20〜30個つける。苞は広線形で鋭尖頭、長さ1.5〜2.5cm、幅1.5〜2.5mm。萼片は倒卵状長楕円形、長さ約2cm、幅約8mm、側花弁は倒卵形で鈍頭、萼片より短い。唇弁はやや」直立し、倒卵形で先は3浅裂し、黄白色でやや紫色を帯び、長さ約17mmと萼片よりやや短く、側裂片は円く、中裂片は卵円形、内面の脈上に乳頭状突起があり、中央部には2本の隆起線がある。距は長さ約4mm、鈍頭。蕊柱は半円柱状、長さ約6mm。、コス。
果実(刮ハ)は紡錘形。
- 分布・生育地 :
九州(南部)〜沖縄 (国外:熱帯アジア〜オーストラリア(北東部)) 亜熱帯〜熱帯の常緑広葉樹林下
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2008年6月14日 沖縄県国頭郡 中上・全体2 2013年5月25日 沖縄県石垣島 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 2008年6月14日 沖縄県国頭郡 左下・花 2013年5月25日 沖縄県石垣島 右下・果実(刮ハ) 2006年2月4日 沖縄県名護市
- 撮影記 :
十数年前、仲間が出会ったという石灰岩交じりの林下、わずか1本だけであったが、当時のままの姿を見せてくれた。
腐生ランは難しい。雨量や気温の関係があるのだろう、年によって発生の時期や量に極端な違いが出る。全く空振りの年もあれば、びっくりするほどの数に出会える年もある。また、直接でなくても近くの環境がわずかに変化するだけで発生しなくなる。
さらに、前年あった場所と全く同じ所には生えない。葉がないので目印をつけておいても、少し違う場所に生える。
この花、珍しいランではないが、十数年後にほぼ同じ場所で花を見られたことは、その意味でも貴重だった。
掘り取るわけにはいかなかったが、イモネ(芋根)といわれるように、根茎が膨らみ、芋のようになるのが特徴である。
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