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- 科名・属名 : ラン科 ツレサギソウ属
- 特徴 :
草丈10〜30cmの多年草。
葉は根元に1個つき、楕円形〜卵状楕円形、長さ3〜12cm。先は鋭尖頭、基部はクサビ形かやや茎を抱く。紙質で脈に沿って濃緑色の部分があるため網目状に見える。茎葉は鱗片葉で、楕円状3角形で長鋭尖頭、長さ6〜15mm。
花は穂状花序となり、やや疎らに5〜13個つける。側萼片は線状披針形、長さ4〜6mm、横に開くと径約10mm。背萼片は卵形、長さ2.5〜4mm。幅約2mm。側花弁は背萼片より長くて離れ、長さ4.5〜5.5mm、先端近くで急に細くなる。唇弁は舌状、肥厚し、長さ約6mm。居は線形、長さ11〜16mm、先端は反曲する。
果実(刮ハ)は長楕円状根棒状、長さ8〜9mm。距が長いのが特徴である。
- 分布・生育地 :
沖縄(西表島) (国外:日本固有) 渓流や海岸の岩壁
- 花期 : 3〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年4月10日 沖縄県西表島 中上・全体2 2019年5月8日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花序 2004年4月10日 同 上 中下・花 2019年5月8日 同 上 左下・果実、右下・葉 同 上
- 撮影記 :
トンボソウの仲間はどれも良く似ていて同定が難しい。
この花は、他のトンボソウの仲間に比べ距の長いのが特徴で、西表島ではトンボソウの仲間はこの花しか知られておらず、固有種である。
西表島では渓流や海岸の岩場に稀に見られる。
渓流の水しぶきがかかるような岩場に生えるのはわかるが、海岸端に生える株は海水のしぶきを浴びるような岩場に生えていて、よくこんな場所で生育できるものだと感心する。とても同じ種類とは思えない。
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