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- 科名・属名 : ラン科 カシノキラン属
- 特徴 :
草丈5〜15cmの多年草。着生。
茎は長さ1〜4cmと短く、先端は斜上し、細い気根が多数出て樹幹に着生している。
葉は2列に互生し、倒被針形でわずかに湾曲し、長さ3〜6cm、幅0.6〜1.5cm。先はやや鋭頭、革質で厚く光沢があり、中肋は裏面に突出し、基部は鞘となって茎をを包む。
花は4〜10個が総状花序に腋生し、5弁花は淡黄色で平開、萼片と側花弁は同形、狭楕円形で鈍頭、長さ約4mm。唇弁の基部は大型の嚢となり、内側に暗紅紫褐色の班紋がある。舷部は扇状、大きな黄斑があり、縁に不規則な凹凸がある。蕊柱は短く、葯は半球状。
果実(刮ハ)は倒卵形、成熟すると裂開する。
- 分布・生育地 :
本州(千葉県以南)〜沖縄 (国外:韓国(済州島)) 常緑広葉樹の樹幹に着生
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1993年8月22日 千葉県1 中1・全体2 2018年8月5日 千葉県2 中2・全体3 2020年6月24日 鹿児島県 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花1 1993年8月22日 千葉県1 中4・花2 2020年6月24日 鹿児島県 左下・果実(受粉直後) 2008年8月25日 沖縄県 右上・葉 2018年8月5日 千葉県2 右下・葉2 2020年6月24日 鹿児島県
- 撮影記 :
分布の北限にあたる千葉県のある山にこの花があると聞いて出かけた。
この山やその周辺は鹿や猿のせいかヤマビルが異常に増えて、少し山道に入るとすぐに足元に取り付いてくる。
斜面の常緑広葉樹の樹幹に花を見つけ満足感に浸った。帰りに駅で靴を脱ぐと靴下が真っ赤、いつの間にかやられたらしい。
この植物は空中湿度が必要なことから、同じような環境をヒルも好むようだ。
北は千葉県〜南は沖縄までこの花を見ているが、千葉県辺りで見る株は大株が多く、沖縄ではそれほど大きな株は見ない。
千葉県より南に自生するということなので南方系のイメージがあったが、台湾に記録がないことから分布域の中心は温帯域のようだ。
その後、鹿児島県(本土)で6月に開花している株を見た。
これまでこの花の開花に出会ったのは8月以降だっただけに、同じ本土でこれだけ花期の違いがあるのかとびっくりした。
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