カヤラン(榧蘭)

Thrixspermum japonicum


カヤラン1


  • 科名・属名 : ラン科 カヤラン属

  • 特徴 :
     長さ3〜10cmの多年草。着生。
     茎の中部〜基部にかけて出る多数の細長い気根で、緩く着生する。
     茎は細く、葉鞘に包まれる。
     葉は2列互生し、10〜20個つき、披針形〜狭長楕円形、長さ2〜4cm、幅4〜6mm。鈍頭で革質。
     花は葉腋から出た花茎の先に2〜6個つき、淡黄色で唇弁に暗紫色の模様があり、垂れ下がって咲く。花茎は細く、中央に小さな1個の鱗片葉がある。苞は広卵形で開出し、長さ約3mm。萼片は狭長楕円形、長さ6〜8mm、開出するが、上半部は内曲する。側花弁は狭長楕円形、萼片よりやや小さく鈍頭、萼片同様開出し、内曲する。唇弁は浅く3裂視、側裂片は耳状に左右に突出し蕊柱を囲み、中裂片は小さい。蕊柱は長さ約1mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(岩手県)〜九州 (国外:韓国(済州島)、中国(南部))
     枝や岩上に着生

  • 花期 :   3〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1984年5月20日  茨城県筑波山
     中上・全体2 1986年5月10日    同  上
     中中・全体3 福島県相馬市
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1984年5月20日  茨城県筑波山
     左下・花 2011年5月9日  徳島県三好郡
     右上・葉1 2022年4月24日  大分県別府市
     右下・葉 2011年5月9日  徳島県三好郡

  • 撮影記 :
     着生ランの中では比較的よく見られる種類である。
     茨城県筑波山のある神社の境内では、クスノキのあちこちにこの花が着生し、塊となって咲いていた。
     参拝者や観光客も多く、逆にそのことで守られているような気がした。
     しかし、撮影していると寄ってきて、何を撮っているか聞かれるのには閉口した。

  • 葉1

    葉2

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花序

花