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- 科名・属名 : ラン科 コカゲラン属
- 特徴 :
草丈13〜30cmの菌従属栄養植物。
塊茎は肥厚し、紡錘形で横に這い、先端から紐状の根を出す。
葉はなく、花茎は直立し、少数の鱗片がある。
花は茎頂に総状花序に十数個を密につけ、1〜2輪ずつ咲く。花は淡紅色を帯びた白色で、長さ約5mm。背萼片と側萼片、側花弁はそれぞれ合着し、筒状になる。唇弁は花の中心部から突き出し、内面の先端はやや肉質に膨らんだ2裂する隆起がある。蕊柱は長さ3〜4mm、先端に鉤形に突出する翼がある。
花冠はわずかに淡紅色を帯びた白色で、長さ約5mm。
唇弁は花の中心部から突き出し、先端はやや肉質にふくらみ2裂する。
ずい柱の先端にかぎ状に突出する翼がある。
- 分布・生育地 :
九州(屋久島・種子島・奄美大島)、沖縄(久米島・石垣島) (国外:中国(南部)、台湾、タイ) 亜熱帯の常緑広葉樹林下
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年5月28日 鹿児島県屋久島 中上・全体2、以下全て 同 上 中中・全体3 2022年4月16日 沖縄県石垣島 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序1 2006年5月28日 鹿児島県屋久島 左下・花序2 2022年4月16日 沖縄県石垣島 左下・花 2006年5月28日 鹿児島県屋久島
- 撮影記 :
すれ違う車や人の姿もないやや荒れ気味の林道。レンタカーの底を擦らないように慎重に車を進めた。
昨日までの大雨で、流れは見えないもののゴウゴウという沢の音だけが大きく響いてくる。
適当な場所に車を止め、後は歩きだ。道をはずれて林下に入り、目をさらのようにして探すが、花らしきものは何も見当たらない。
あきらめかけた頃、ポツンと咲いている小さな白い花が目に入った。近寄ってみると、このランが今を盛りと花をつけていた。
写真で見ると白い花のように思えたが、よく見ると薄っすら淡紅色を帯び、花弁の内側はその色がより鮮明だった。
屋久島でも低地に生育し、開発や伐採で消滅したと思われていたが、どっこい生き延びていた。
十数年後、石垣島の林下でこの花そっくりのランに出会った。
コカゲランは日本では屋久島だけに分布と記憶していたので、近縁の新種ではないかと大喜びして撮影した。
しかし、調べてみるとその後奄美大島などや沖縄の久米島、それに石垣島でも見つかったという末次氏の論文が発表がされていて、ちょっとがっかりした。
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