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- 科吊・属吊 : ラン科 コケイラン属
- 特徴 :
草丈35~60cmの多年草。
葉は1~2個、葉身は披針形、長さ26~35cm、幅1.8~2.2cm。先は鋭尖頭、表面には縦皺がある。
花は茎頂に総状花序になり、多数(17~29個)つける。花弁と萼片は黄褐色で縁は紫色。背萼片は狭楕円形で鋭頭、長さ6~6.3mm、葉が1.8~1.9mm。側萼片は狭楕円形でやや鎌状、長さ5.7~6.2mm、幅2.1~2.2mm。唇弁は白色で紫色の斑点があり、中央部で側裂片が3裂し、長さ4.8~5.2mm、葉が3.7~4.1mm、隆起は板状。蕊柱は長さ3.6~3.7mm。
- 分布・生育地 :
本州(栃木・群馬県)、九州(大分県) (国外:朝鮮(済州島)) 山地のやや湿った林下
- 花期 : 6~7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2016年6月28日 大分県 中1・全体2 2013年7月9日 栃木県 (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック) 中2・花序、中3・花1(正面) 栃木県 中4・花2(側面)、右下・葉 2016年6月28日 大分県 左下・花後(子房膨み始め) 2019年7月13日 同 上
- 撮影記 :
日本では栃木県の標本を基づき2016年に発表された種で、朝鮮(済州島)で見つかり発表された種と同一とされた。
コケイランモドキという和吊がつけられたようにコケイランによく似た種で、違いは花が小さい(側萼片は長さ5.7~6.2mm、コケイランは8~10.5mm)、唇弁の中央部から側裂片が分かれること(コケイでは基部から)、隆起が板状であること(コケイでは多少突出)、蕊柱が太く短い(長さ3.6~3.7mm、コケイでは5.5~6mm)、花期が約1ヶ月程度遅いとされている。個人的にも他に花茎の高い個体が多いような気がする。
当初発表されたとき、栃木県だけであったが、ここにアップしたように九州(大分県)でも見つかっている他群馬県でも見つかり、四国でも見つかったという話も聞く。
ただ一見するとコケイランで、いくらか椊物のことがわかっているとかえって見逃してしまうかもしれない。
一番分かりやすいのは花期が約1ヶ月程度遅いことで、7月ごろコケイランが咲いていたら、ひょっとしてと思って確認することが必要だ。そうすればもっと色々な場所で自生地が見つかるのではないかと思う。
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