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- 科名・属名 : ラン科 コオロギラン属
注.APG分類では、コオロギラン属の学名(Stigmatodactylus)
- 特徴 :
草丈3〜10cmの多年草。
地下の球茎から根茎が伸び、途中から分枝したシュートの先端に球茎ができ、翌年地上茎を出す。
地上茎は緑色、やや四角柱状。
葉は中央よりやや上に1個つき、卵形、長さ3〜5mm。茎の基部には小さな鱗片葉がある。
花は茎頂に普通2〜3個つき、淡緑色でわずかに紫色を帯びる。背萼片は線形で膜質、基部に少数の縁毛があり、長さ約4mm、側萼片は同形、長さ約2.5mm。側花弁は線形、長さ約3.5mm。唇弁は開出し、円形でやや大きく、長さ約4mm、前半部の縁に細かい鋸歯があり、基部に上下に2深裂、さらに左右に2裂する付属体がある。色はやや透き通り、中央は赤紫色。苞は葉とほぼ同形、同大。
蕊柱は長さ約3.5mmで直立し、中央部の前面に先の2裂する肉質の小突起があり、蕊柱の先端に葯がある。花粉塊は4個。葯の下に凹入した柱頭と、すぐ下に細長い突起がある。
果実(刮ハ)は細長い紡錘形。
- 分布・生育地 :
本州(紀伊半島、伊豆諸島)、四国、九州 (国外:中国(東南部)、台湾) 常緑広葉樹や杉林下に稀
- 花期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1989年9月3日 高知県 中1・全体2 2019年8月31日 同 上 中2・全体2 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花1 2019年8月31日 同 上 中下・花2、以下果実を除き 同 上 左下・果実 1989年9月3日 高知県
- 撮影記 :
紀伊半島から四国・九州にかけて点々と産地があるものの、いずれも生育数は少なく、場所によっては歩道工事で絶滅してしまった所もある。
最初の探索地は絶滅しており、牧野博士が発見した高知県のある山へ出かけた。
その年は夏に雨が多く条件が良かったせいか、一緒だった高知のメンバーも、こんなに発生しているのは見たことないというくらいあちこちに生えていた。
しかし、1茎に2花つけるものの同時に咲かないようで、被写体探しに苦労した。
20年後訪れると、生える場所は少し変わっていたが、以前同様多くの株と花が見られ嬉しくなった。
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