クマガイソウ(熊谷草)

Cypripedium japonicum


クマガイソウ1

  • 科名・属名 : ラン科 アツモリソウ属

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     茎は有毛。
     葉は2個つき、葉身は扇形〜扇円形、長さ10〜15cm、幅10〜20cm。放射状に多数の脈があり、縦皺が目立ち、裏面には軟毛がある。
     花は葉の間から花茎を出し、茎頂に1個、径10cm程度の大きな花を横向きにつけ、萼片と側花弁は淡黄緑色で、唇弁は淡い肌色に紅紫色の筋が入る。背萼片は卵状楕円形、長さ4〜5cm、幅1〜2cm。側萼片は合着し、広卵状舟形で、背萼片より幅広く、先端が少し2裂する。側花弁は卵状披針形でよく開き、内面に斑点と軟毛がある。唇弁は袋状。唇弁の上部から蕊柱が露出し、両側に葯を2個つける。
     名前の由来は、大きな袋状の花が、武士が背負った母袋に似ていてしかもやや力強い感じがあることから、熊谷直実にたとえつけられた。

  • 分布・生育地 :
     北海道(西南部)〜九州 (国外:朝鮮、中国(東部))
     冷温帯〜暖温帯の低山地の林下、特に杉林や竹林

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1995年4月29日  千葉県四街道市
     中上・全体2(群落)    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花1 1979年4月29日  埼玉県大宮市
     中下・花2    同  上
     左下・蕾 1985年4月29日  千葉県山武郡
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     関東周辺ではGWの頃、花を咲かせる。
     特徴的な花で群生していることが多いので目立ち、以前は新聞にもよく取り上げられていた。
     杉や竹林の下に多いものの、木が生長し日当たりが悪くなると衰退してしまう。
     天然記念物に指定されていた千葉県の群落は、杉が生長し全く見ることができなくなってしまった。
     大宮市(現さいたま市)のある農家では竹林の下に見事な群落があり、いつ行っても群落が維持されていて、手入れの良さが偲ばれる。
     花の写真は、そこで昭和54年に撮影したものである。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
クマガイソウ2(群落)

花1

花2

蕾