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- 科名・属名 : ラン科 ムヨウラン属
- 特徴 :
草丈15〜30cmの菌従属栄養植物。
地上茎は黒くて硬く、少し分枝する。
花は茎頂に総状に5〜10個つける。花の寿命が短いため、同時に開花するのは1つの花序で1〜2個。背萼片と側花弁は倒披針形、淡黄褐色で、長さ12〜17mm。唇弁はさじ形で分裂せず、全縁、白色で先端が紫色を帯び、長さ13〜15mm、先の苞の内側に紫色の帯状の毛がやや密に生える。基部は蕊柱と合着し、蕊柱は長さ11〜13mm、無毛でほとんど白色。
花は晴天の日の午前中開花し午後は閉じるが、条件が整わないと開かず、そのまま落下する。
本種のように花が開くタイプをトサノクロムヨウランろし、常に全く開かないタイプをクロムヨウランとする考え方がある。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方以西)〜九州 (国外:中国(福建省)、台湾、タイ) 暖温帯〜亜熱帯の常緑広葉樹林下
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1999年8月8日 東京都八王子市 中上・全体2 2010年8月1日 高知県吾川郡 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 1999年8月8日 東京都八王子市 左下・花2 2010年8月1日 高知県吾川郡 右下・果実 同 上
- 撮影記 :
盛夏の頃花を咲かせ、初めのうちは花弁が開かない種類と思っていた。
ある本で、天気のいい日の午前中に開くと書いてあり、早起きして八王子のある雑木林へ出かけた。
何ヶ所か見て歩くうちに、やっとまずまず開いている株を見つけ撮影した。唇弁の先の紫色が何ともいえない色だ。
昼過ぎ、帰り際にもう一度みたら、もう閉じかけていた。条件がよければもっと開くようだ。
特徴欄にも記したが、本種のように花が開くタイプと全く開かないタイプは花の構造にも違いがあることを、高知の竹内氏が調べられ、HP「四国の野生ラン」に載せられている。
それに従えば、関東辺りのクロムヨウランは全て開花するタイプのトサノクロムヨウランとなる。
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