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- 科名・属名 : ラン科 ミスズラン属
- 特徴 :
草丈8〜15cmの多年草。
地下の塊根は卵形。
葉は根元に普通1(〜3)個つき、地面近くでやや反りながら斜上し、葉身は倒披針状長楕円形、長さ1.5〜4.5cm、幅0.5〜1.5cm。先は鈍頭、基部は細くなって葉柄状になる。
花は茎頂に2〜6個が疎らにつき、淡緑色。苞はごく小さく、卵形。背萼片は楕円形、長さ約1mm、側萼片は長楕円形で横に開き、縁に不揃いの小歯牙があり、長さ約1.5mm。側花弁は斜卵円形、縁に不揃いの歯牙があり、背萼片より少し短い。唇弁は舌状披針形、距は無く、基部がやや狭く、下に垂れ、長さ約1.5mm。蕊柱は短い。花の後ろに伸びる子房は、長さ約5mmと花に比べ大きい。
- 分布・生育地 :
本州(東北〜中部地方) (国外:朝鮮、台湾) 冷温帯の針葉樹林下
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1995年7月30日 長野県1 中・全体2 2006年7月8日 同 上2 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 1995年7月30日 同 上1 右下・葉 2006年7月8日 同 上2
- 撮影記 :
和名は「みすずかる(三篶刈る)」という信濃にかかる枕詞から由来している。
この花の情報を得てからずいぶん経った1995年、花仲間と長野県のある山に出かけた。
時期も遅く心配しながら探したところ、登山道脇の暗い樹林下で小さな花が咲いているのを見つけた。
少し遅めだったが周辺に何本かあり、いずれも登山道脇で奥の林内にはなかった。
この花に限らず、登山道際というのは花が多い。日当たりや風通しの関係があると思われるが、見つけやすく助かると同時に盗まれやすく心配だ。
2006年、別の場所で久し振りにこの花に出会った。
周辺の緑と同化し、目を凝らしてもわからないくらいの小さな花が、苔の上にポツポツ咲いていた。
これだけ目立たなければ盗られ難いと思うが、逆に気がつかずに開発で消えてしまう心配もある。
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