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- 科名・属名 : ラン科 マメヅタラン属
- 特徴 :
着生の多年草。
茎は匍匐して仮軸分岐を繰り返し、上部は肥厚し長さ5〜8mmの卵球形の偽球茎となり、先端に1葉をつける。
葉は披針形、長さ4〜8cm、幅6〜10mm。先は鋭頭、質は革質。
花は偽球茎の基部から花茎を出し、帯紅紫色の花を3〜5個つける。萼片は斜上し、背萼片は長楕円形、長さ約3.5mm、幅約1.5mm、側萼片は広披針形、長さ約8mm、幅約2mm、基部近くに隙間はあるが、先端は2個がくっつき、前方に突出する。側花弁は卵形、背萼片より短い。唇弁は厚く、長さ約3mm、幅約2mm、濃紅紫色で蕊柱の前で前方に湾曲する。蕊柱は長さ約2mm、葯は広卵形。苞は披針形、膜質、長さ1〜2mm。鋭尖頭。花弁の先はくっついている。
- 分布・生育地 :
本州(静岡県以西)〜九州(屋久島まで) (国外:中国(南部)、台湾) 岩上や樹幹に着生
- 花期 : 6〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1988年7月24日 徳島県海部郡 中上・全体2 2020年6月23日 宮崎県南那珂郡 中中・全体3 同 上 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・全体4 1988年7月24日 徳島県海部郡 左下・花 2019年7月11日 宮崎県霧島 右上・葉、右下・偽球茎 同 上
- 撮影記 :
徳島県のその渓谷は、山が深く神社の保護林となっているため植物の種類が多く、何度か撮影に通った。
雨の中、何も見つからずあきらめて帰ろうとした時、苔むした太い木の目の高さにこの花が咲いていた。
露を含んだ葉と花の見事な咲きっぷりに、それまでの不機嫌さは吹っ飛んでしまった。
しかし1ヶ月後に訪れると、その部分だけ見事に剥ぎ取られていた。
その後、北限の静岡県や南限の屋久島でも見たが、宮崎県で見た樹幹に着生していた大株の花は見事だった。
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