ミズチドリ(水千鳥)

Platanthera hologlottis


ミズチドリ1

  • 科名・属名 : ラン科 ツレサギソウ属

  • 特徴 :
     草丈50〜90cmの多年草。
     根は肥厚し、横に這う。
     葉は互生、下部の4〜6個は大形で、葉身は線状披針形、長さ10〜20cm、幅1〜2cm。先は鋭尖頭、基部は鞘となる。上部の葉は小さくなる。
     花は茎の先に総状に白色の花を多数つける。背萼片は楕円形で鈍頭、長さ4〜5mm、側萼片は狭長楕円形、背萼片よりやや長い。側花弁は斜卵形で鈍頭、やや肉質で背萼片よりやや短い。唇弁は舌状で下に垂れ、倒卵形で円頭、肉質で中央に縦の隆起があり、長さ6〜8mm。距は細く下垂し、長さ10〜12mm。苞は線状披針形で花より高い。花には芳香がある。蕊柱は短く、花粉塊は倒卵形。
     別名 ジャコウチドリ

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国(東北部)、極東ロシア、シベリア)
     亜寒帯〜暖温帯の湿地

  • 花期 :   6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1986年8月3日  群馬県尾瀬ヶ原
     中上・全体2 2019年7月26日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1986年8月3日    同  上
     左下・花 2019年7月26日    同  上
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     夏の湿原・湿地の定番植物であるが、写真の尾瀬ヶ原ではよく見かけるものの、低地の湿地ではごく稀である。
       緑一色の夏の湿地では、草丈も割合に大きく穂状になって咲く白い花は目立つ。
     他に緑色系のランの花は咲いているものの、保護色になって見つけ難い。
     千鳥に似ているかどうかはともかく、花の白いこともあり、「水辺の千鳥」の名はあながちこじつけでもなさそうな気がする。
     花には芳香があり、別名ジャコウチドリと呼ばれる。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ミズチドリ2

花序

花