|
- 科名・属名 : ラン科 カシノキラン属
- 特徴 :
草丈5〜10cmの多年草。着生。
細い茎が樹幹を這い、分枝してマット状に広がる。
葉はやや疎らに2列に互生し、葉身は楕円形〜卵状楕円形、長さ5〜11mm、幅2.5〜5mm。先は鋭頭、質は革質で厚く、中肋がやや窪み、普通暗紫色の斑点がある。
花は腋生の細い花序に1〜6個集まってつく。苞は三角形、長さ0.7〜1.2mm。萼片と側花弁は楕円形で開出し、黄緑色で中心にかけて紫紅色の斑紋が入り、長さ約2.5〜3.5mm。唇弁は円柱形、白色で上唇の中央部に黄色の斑紋が入り、舷部は3裂、中央裂片は大きく、凹頭で腎形、中央に短毛が密生し、側裂片は小さく直立し卵形。唇弁の基部から後方に伸びる距は、長さ3〜4mm。
- 分布・生育地 :
本州(宮城県以南)、四国、九州(宮崎県) (国外:日本固有) 暖温帯上部の針葉樹と広葉樹の混交林の樹幹に着生
- 花期 : 3〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1989年3月21日 岐阜県恵那郡 中・全体2、以下全て 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
ある本の記述から、岐阜県の山間部の農家の近くにあることを知り問い合わせた。
3月にもかかわらず「咲いている」とのことで、早速、花仲間と出かけた。
屋敷の近くの大きなカヤの木にはびっしりとこの花が着生し、花期はちょうどよかった。
農家の方には撮影用の脚立の準備だけでなく、休憩用にとカヤの実のつまみの差し入れを頂いたのには恐縮した。
聞くところによると、その後カヤの木が枯れて絶えてしまったとのこと。あまり見かける機会がない花だけに残念だ。
20年後、近くを通りがかったついでに立ち寄った所、わずかながら小さな葉が復活していた。
同じ科の仲間の花
|