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- 科名・属名 : ラン科 ムカゴトンボ属
- 特徴 :
草丈20〜50cmの多年草。
茎は卵形の塊根から出て、直立する。
葉は茎の下部にやや集まってつき、下部の3〜5個の葉身は披針形、長さ4〜10cm、幅1〜2.5cm。鋭尖頭で基部は鞘となり、淡緑色。上部のものは鱗片状で小さく、茎に圧着する。
花は総状花序となって多数つく。花は淡緑色、径5〜6mm。背萼片は狭卵形、側萼片と側花弁は斜卵形、長さ約3mm、幅約2mm、側花弁は萼片よりやや大きく、背萼片は側花弁を内に入れて兜状になる。唇弁は長さ約4mm、基部近くで3裂し、中裂片は舌状、側裂片は細くヒゲ状で横から上に伸び、長さ6〜7mm。距は紡錘状、先端は切形または2浅裂、長さ3〜4mm。葯は広卵形。
- 分布・生育地 :
本州(千葉県)〜九州(徳之島まで) (国外:韓国(済州島)) 日当たりのよい湿った草地、法面
- 花期 : 9〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1988年9月15日 高知県安芸郡 中上・全体2 1988年10月2日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 1988年9月15日 同 上 左下・花 2019年8月31日 高知県高知市 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
ムカゴトンボ属は、花は黄緑色で小さく見映えはしない。
しかし、アップで見ると唇弁の側裂片がヒゲのように伸びて面白い形をしている。このヒゲが手にように見え、みんなで手を上げ「まる」を作っているようである。
高知県の海岸近くの林道法面に咲いていたこの花は、花ごとに「まる」の作り方がそれぞれ異なり、それが面白くてひとつずつアップで見ながら歩いた。
十数年後、再度現地を訪れようとしたが、現地の花仲間からそこは絶滅したとの話を聞きがっかりした。
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