ナギラン(梛蘭)

Cymbdium lancifolium


ナギラン1

  • 科名・属名 : ラン科 シュンラン属
     注.APG分類では、学名(C. nagifolium)

  • 特徴 :
     草丈10〜15cmの多年草。
     葉は1〜3個つき、葉身は被針形でやや水平に広がり、長さ20〜30cm、幅2〜3cm。数個の鱗片葉がある。先は鋭尖頭、基部は長い柄につながり、先の方の縁に微鋸歯がある。質は革質で固く光沢がある。
     花は鞘状葉の間から花茎を出し、先に2〜4花まばらにつける。花弁は緑白色〜白色の地にわずかに淡紫褐色が入る。萼片は線状披針形、長さ2.2〜2.5cm、幅2.5〜3mm。側花弁は狭長楕円形、萼片よりやや短く、幅が広くて鋭尖頭。唇弁は浅く3裂する。萼片は倒卵状長楕円形、浅く3裂し、中裂片の先は三角形に細くなり鈍頭、白色で肉質、内側に紫褐色の斑点がある。蕊柱は長さ約13mm、少し湾曲する。葯は扁円形、花粉塊は三角状球形で2個が対になる。苞は膜質で線状披針形、長さ8〜15mmで鋭尖頭。
     果実(刮ハ)は長楕円形。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方南部以西)〜沖縄 (国外:韓国(済州島))
     常緑広葉樹林下

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1989年7月16日  高知県室戸市
     中1・全体2 2011年7月14日  高知県安芸郡
     中2・全体3 2020年7月16日  神奈川県足柄下郡
     (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック)
     中3・花1 2011年7月14日  高知県安芸郡
     中4・花2 2019年7月11日  宮崎県南那珂郡
     左下・果実 2019年7月24日  神奈川県足柄下郡
     右下・葉 2019年7月11日  宮崎県南那珂郡

  • 撮影記 :
     暖地のやや暗い広葉樹林下に生えるが、群生することはなく点々と生えていることが多い。
     また、花は少数のうえ一斉に咲かず、さらに、花の向きが一定せずあちこち向いているため、何となくだらしない感じがする。
     千葉県や神奈川県など関東地方南部でも見られるが、それほどパッとしたランではないのに数は年々減ってきている。
     やぶ蚊にまとわりつかれながらも、林下を探して歩くのが楽しみの一つなのだが。
     普通、暖地の海岸近くの常緑樹林下に多いのだが、時に海岸から何十キロも離れた山の林下でも見ることがある。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ナギラン2

ナギラン3

花1

花2

果実(刮ハ)