|
- 科名・属名 : ラン科 ナゴラン属
- 特徴 :
草丈5〜20cmの常緑の着生ラン。
気根は太く、長く伸びる。茎は短く、2〜6個の葉を2列につける。
葉は狭長楕円形、長さ8〜15cm、幅1.5〜2cm。鈍頭で質は厚く柔らかい肉質、やや光沢がある。
花は葉腋からでた長さ5〜15cmの花茎の先に3〜10個つく。花は白っぽいが、側萼片に赤紫色の横縞、唇弁に同色の斑点が入る。萼片は斜開し、長楕円形で長さ約12mm、側花弁は萼片と同形。唇弁は萼片と同長で3裂し、側裂片は小さく、中裂片は倒卵状くさび形、先は円く縁は波状となる。距は前方に突き出る。蕊柱は湾曲し前方に曲がり、葯は白色、花粉塊は2個で黄色。
- 分布・生育地 :
本州(伊豆諸島、静岡、福井、京都、隠岐島、紀伊半島)〜沖縄 (国外:韓国(済州島)、中国(南部) 暖温帯〜亜熱帯の常緑広葉樹の樹幹に着生
- 花期 : 5〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2019年6月30日 東京都伊豆諸島 中上・全体2 2019年6月1日 鹿児島県薩摩半島 中下・全体3 2019年7月11日 宮崎県霧島 (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 2019年6月1日 鹿児島県薩摩半島 右上・幼葉、右下・気根 2019年6月3日 宮崎県霧島
- 撮影記 :
絶滅危惧種T類ではあるがB類とされているように、滅多に目にしない種類ではないにもかかわらずアップできずにいた。
というのも株や蕾の状態では何度も見かけたものの、開花したものを野生状態では撮影できていなかったうえ、段々ラン類から別の科に興味が移ってきたからだ。
それでもやっと花を撮影しようという気になり、以前から知っていた鹿児島県の自生地に出かけた。
そこには多数の株が着生した樹が何本もあり、予定通り花期も見頃、やはりその美しさには感動した。
面白いもので、1度花に出合うとその後続いて見ることが多く、結局同じ年に3ヶ所で花を見ることができた。
ただ、手で触って見られる場所はさすがにほとんどなく、こんな花が目の前で見られるようになって欲しいと思う。
和名は沖縄の名護市に由来しているが、名護市ではまず目にすることはないし、どうも沖縄では絶滅に近い種のようだ。
同じ科の仲間の花
|