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- 科名・属名 : ラン科 オニノヤガラ属
- 特徴 :
草丈10〜60cmの菌従属栄養植物。
地下に根茎は太く肥厚し、そこから花茎を伸ばす。
地上茎は細く、直立し、肌色を帯びた淡褐色。
花は茎頂に3〜10個が総状につき、肌色を帯びた淡褐色、長さ約1cm。花序軸は長さ約3cm。小花柄部は細く、長さ3〜5.5mmであるが、花後急速に伸び、長さ5cmなるものもある。萼片と花被片は合着し、カップ状に開く。唇弁は三角形〜広卵形、オレンジ色が強く、長さ約8mm、前部に2列の縦畝があり、基部は切形、線形で1対の球状の隆起がある。
- 分布・生育地 :
本州(千葉県以西)〜九州 (国外:台湾) 林下の腐葉がが堆積した場所
- 花期 : 6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年6月24日 千葉県 中上・全体2、中中・花序 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 2022年6月13日 同 上 左下・果実 2005年7月6日 同 上 右下・鱗片葉 2022年6月13日 同 上
- 撮影記 :
この花、各地に記録はあるものの、何年か発生すると出なくなるらしい。
それに菌従属栄養植物の特徴で、少しでも環境が変わると発生しなくなる。
記録のある場所を何箇所か探したが、過去の話ばかりでお目にかかることはできず、出会うのは無理かなと思っていた。
2005年、花を見つけたという仲間からの連絡を受け、休暇をとって出かけたものの、花の寿命は短いらしく(今年の観察の結果から見ると1つの花は3日程度)すでに果実(一番下の写真)になっていた。
翌年、梅雨の中休みで雨の心配もない日、記憶をたどりながら現地に着くと、去年とは違う場所に今年は果実ではなく花があった。
写真で見るナヨナヨしたひ弱なイメージとは全く異り、茎も比較的しっかりしていて、高さも30〜50cmもあり驚かされた。
全国的にもごく稀なこの腐生ランにやっとのことで巡り会え、感動と興奮で身震いするようだった。
わずかな情報から何年も探し、花を見つけた花仲間の勘と努力に敬意を表したい。
2022年、十数年ぶりに現地を訪れると、元の場所とは違う場所にわずかながら発生していた。
毎年細々と発生しているようだが、台風による大量の倒木などから環境が激変し、発生数は全体写真を撮影した年が最大だったようだ。
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