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- 科名・属名 : ラン科 ツレサギソウ属
- 特徴 :
草丈10〜15cmの多年草。
葉は下部に1〜2個つき、長楕円形で長さ2.5〜4cm、幅1.5〜2cm。先は尖り、基部は急に細くなって葉柄になり、縁は波打つ。表面に光沢がある。鱗片葉は1〜3個、広披針形で鋭頭。
花は5〜10個が総状につき、白色で萼片の中ほどは緑色を帯びる。苞は広披針形で鋭頭。背萼片は卵状披針形、長さ約3mm、側萼片は長卵形で平開し、長さ3〜3.5mm。側花弁は斜卵形、背萼片とほぼ同長。唇弁は楕円状舌形で、長さ約4mm、やや肉質。距は筒状で長さ2.5〜3mm。葯室は平行。
別名 ツクシチドリ
- 分布・生育地 :
四国、九州(奄美大島まで) (国外:韓国(済州島)、台湾) 暖温帯状部の山地の常緑〜針葉樹林下
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2009年6月27日 大分県 中上・全体2、中中・花序 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 2020年6月21日 同 上 左下・果実 2006年9月3日 鹿児島県屋久島 右上・葉1 2006年6月28日 大分県 右下・葉2 2020年6月21日 同 上
- 撮影記 :
水辺のコケの上に咲いていたのは、母種より花の数が少ないツクシチドリとされる、小さな白い花をつけたランだった。
本種は九州南部までしか分布がないとされ、九州中部に産するのはツクシチドリとする図鑑もあるが、ここのは花数も多く、どう見てもニイタカチドリとしか言いようがない。
屋久島でも同じよう環境に咲いており、ランの専門家前川氏も同一種とされているのがうなずける。ここではその考え方に従った。
小さな花は緑のコケの中に紛れてしまうのか、道路際にもかかわらず、通る人も気づかない。この花にとってはその方が幸せだろう。人が来る度にカメラの向きを変えたりして、何を撮影しているのかわからないように気を使った。
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