ニュウメンラン(入面蘭)

Trichoglottis lutchuensis


ニュウメンラン1


  • 科名・属名 : ラン科 ニュウメンラン属
     注.APGV分類では、属の学名(Staurochilus)、種小名変わらず

  • 特徴 :
     茎20〜70cmの着生ラン。
     茎は直立するか下垂し、硬くて太く、しばしば分枝し、長い気根を出す。
     葉は互生して2列につき、葉身は線状披針形で長さ10〜18cm。質は厚い革質。
     花は総状花序となって葉腋につき、単一または分枝し、長さ20〜30cm、疎らに7〜20花をつける。花弁は平開し、淡黄色で内面に紫褐色の斑が入り、唇弁は白色で上面に紅紫色の小さな点が入る。萼片と側花弁は長さ約1.7cm、背萼片は卵状菱形、側萼片は倒卵形、唇弁は長さ約1.6cm、基部で3〜5浅裂し、側裂片は3角形、中央裂片は菱形状船形で肉質、上面に毛が生え、先端は尖り、基部に短い距がある。側裂片は上向く。
     別名 イリオモテラン

  • 分布・生育地 :
     沖縄(石垣、西表、魚釣島) (国外:台湾、フィリピン)
     樹幹に着生

  • 花期 :   3〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2021年4月19日  沖縄県石垣島1
     中1・全体2    同  上
     中2・全体3 2022年4月14日    同  上
     中3・全体3 2017年4月8日    同  上2
     (上、中1〜3は拡大写真あり、写真をクリック)
     中4・花序1 2021年4月19日    同  上
     中5・花序2 2022年4月14日    同  上
     左下・花 2017年4月8日    同  上2
     右上・果実    同  上
     右上・葉1 2021年4月20日    同  上
     右下・葉2    同  上

  • 撮影記 :
     西表島や石垣島で植栽の株や花は何度も見たが、自生株は十数年探しても見つけられなかった。
     ある時、以前株を見たという花仲間の案内で山に分け入り、深い山中の自然林でこのランを探した。
     かって着生していたという大木は、太い枝が台風か何かで折れて跡形もなかった。
     あきらめきれず、大木を1本1本見上げて探すが、全く見当たらず。もうこれまでと思い始めた時、やっと高い位置につく果実を見つけた。
     果実だけでも見られてよかったが、果実があるならとさらに探すと、小さいながら花をつけた株が見つかった。
     残念ながら蕾が多く、またこちらを向いて咲いている花は1花しかなかったが、まず無理だろうと思っていた自生株に出会え満足の花見になった。
     4年後、道もない尾根や谷を登り詰め、別の自生地を訪れ、やっと多くの花をつけた株に出会えた。
     以前見た株よりはるかに立派で、何本も花茎を上げていて、時間を忘れて撮影した。
     翌日、前回見た株も訪れたが、変わらず花をつけていたホッとした。

  • 果実

    葉1

    葉2

    同じ科の仲間の花
ニュウメンラン2

ニュウメンラン3

ニュウメンラン4

花序1

花序2

花