オサラン(筬蘭)

Eria japonica


オサラン1

  • 科名・属名 : ラン科 オサラン属

  • 特徴 :
     草丈2〜8cmの着生の多年草。
     茎は肥厚(偽球茎)し、狭長楕円形で少し扁平、赤褐色、長さ1〜2.5cm、幅0.5〜1cm。
     葉は偽鱗茎の頂部から2個出て、狭長楕円形〜広披針形、長さ5〜8cm、幅1〜2cm、先は鋭尖頭。葉柄は短くて関節があり、冬季はそこから葉を落とす。
     花は葉腋から葉より短い花茎の先に1〜2個まばらにつき、白色〜クリーム色で半開する。背萼片や側花片は離生し広披針形でやや鈍頭、長さ8〜10mm。側萼片の基部は長さ3〜4mmの顎をつくる。唇弁は短く、広いくさび形で先は3裂し、側裂片は卵形、中央裂片は円みを帯びた四角形、黄色地で淡赤褐色を帯び、3本の隆起線がある。苞は狭卵形、長さ3〜4mm。葯は広卵形、花粉塊は卵球形で8個ある。

  • 分布・生育地 :
     本州(伊豆七島、紀伊半島)〜沖縄 (国外:中国(南東部)、台湾)
     常緑広葉樹の樹上や岩上に着生

  • 花期 :   

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2009年6月21日  鹿児島県奄美大島
     中上・全体2、中下・花    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・肥厚した茎(偽鱗茎) 2019年7月11日  宮崎県霧島山系
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     高い樹の幹や岩場に着生している株は何度か見たことがあったが、花期に当たることがなく、いつか間近で花を見たいと願っていた。
     奄美大島に出かけた際、偶然出会った方に目的にしていた別の花の自生地を教えてもらった。時間も遅かったので場所だけでも確認しようと、迷いながらもやっと目的の花を見つけた。
     それだけでも嬉しいのに、2mも離れていない岩場を白く埋めるように咲いていた白い花がこの花とわかった時、思わず叫んでしまった。
     翌日、はやる気持ちを抑えて再度訪れる。望遠レンズで覗くと純白の装いに唇弁のオレンジ色が可愛い。吹き上がってくる風に揺れ、まるで子供たちが踊っているようだ。風が止み、踊り終わるのを待って思う存分撮影した。
     和名は肥厚した茎(偽球茎)が並んだ姿を機織の筬(おさ)に見立てたものである。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
オサラン2

花

肥厚した茎(偽球茎)