サイハイラン(采配蘭)

Cremastra appendiculata


サイハイラン


  • 科名・属名 : ラン科 サイハイラン属
     注.APG分類では、学名(C. variabilis)

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの多年草。
     球形は卵形でやや離れ気味に繋がり、普通葉を1個つける。
     葉は狭長楕円形〜長楕円形、長さ15〜35cm、幅3〜5cm。先は長鋭尖頭、基部は柄となり、質は革質。
     花は花茎の先にやや密に総状につき、淡緑褐色で紅紫色を帯びるものが多いが、変化が多い。萼片と側花弁は線状披針形、長さ3〜3.5cm、幅4〜5mm、鋭尖頭。唇弁は長さ3cm、先端部で3裂し、側裂片は披針形、中裂片は長楕円形。蕊柱は長さ約2.5mm、先が太い。
     花色の変化が多く、花の色の青色のものはアオサイハイラン(f. viridiflora)という品種として学名がつけられている。
     他にも花の白色のものがあり、まだ学名は付けられていないが、
     ●シロバナサイハイラン(仮称)(学名未定)(左下の写真)とした。
     また、花の黄色のものもあり、
     ●キバナサイハイラン(仮称)(学名未定)(右上の写真)とした。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:南千島、サハリン(南部)、朝鮮(南部)、台湾、中国〜ヒマラヤ)
     山地の林下

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1986年6月1日  群馬県利根郡
     中上・全体2 2023年5月18日  東京都北多摩
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2015年5月22日  東京都高尾山
     中下・花 1996年6月21日  北海道札幌市
     左下・シロバナ 2023年5月18日  東京都北多摩
     右上・キバナ    同  上
     (左下、右下は詳細写真あり、写真をクリック)
     右下・葉 2016年3月27日  東京都高尾山

  • 撮影記 :
     花は平開せず多数の花が半開きの咲き方をし、それを武士の使った采配に模して和名が付けられている。
     半開き状態のうえそんなに美しい花でもないので、栽培用に採取されることも少ないらしく、関東辺りの山でもよく見かける。
     群馬県で撮影したこの写真も、舗装道路下の斜面に群生していた。
     ところが、北海道では本州産とは少し趣が違い(中下の写真)、唇弁の赤紫色が鮮明で美しいと感じる花が多い。
     最近、花が白色のものや黄色のものに出会った。ここにはサイハイランがびっくりするほど数多く生えていて、そんな訳で突然変異も生まれやすいのかと思った。

  • キバナサイハイラン(仮称)

    葉

    同じ科の仲間の花
サイハイラン

花序

花

シロバナサイハイラン(仮称)