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- 科名・属名 : ラン科 エビネ属
- 特徴 :
草丈30〜50cmの多年草。
球茎は球状で仮軸分枝を繰り返し、匍匐する。
葉は3〜4個つき、葉身は倒卵状狭長楕円形、長さ15〜25cm、幅6〜8cm。先は急鋭尖頭、縦ジワが多く、無毛。基部は鞘状になって秋になっても株の基部を筒状にかためている。
花は茎頂に7〜15花を総状に疎らにつけ、やや内向して開く。萼片、側花弁とも黄緑色、萼片は狭長楕円形、長さ20〜25mm、幅7〜15mm、側花弁は萼片よりやや小さい。唇弁は紫褐色〜紅褐色、萼片と同長で3裂する。側裂片は小さく、中央裂片は大きく、四角形で縁は縮れ、中央にトサカ状の3条の隆起がある。
唇弁のシワが目立ち、赤味を帯びている姿を猿の顔に見立てこの和名がついた。
唇弁の赤味が抜け黄色になった個体があり、
キバナサルメンエビネ(仮称)(左下の写真)(学名未定)とした。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、台湾、中国〜ヒマラヤ ブナ林などの落葉樹林下
- 花期 : 4〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1997年6月14日 北海道野幌森林公園 中上・全体2 1986年5月17日 新潟県佐渡ヶ島 中中・全体3 2017年5月16日 鹿児島県霧島 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 1986年5月17日 新潟県佐渡ヶ島 左下・黄花 2017年5月16日 鹿児島県霧島 右下・葉 1986年5月16日 新潟県佐渡ヶ島
- 撮影記 :
撮影を始めた頃、この花を探して何ヶ所も歩いたが見つけることができなかった。
やっと新潟県の佐渡ヶ島で花を見ることができたが、和名の由来となった唇弁の猿面が印象的だった。
その後、北海道の森林公園内を歩いたところ、林下のあちこちにこの花が咲いており拍子抜けした。
北海道から九州まで広く分布するが、基本的に北方系で、南方では深山でしか見ないが、北日本では平地でも良く見かける。
北海道、本州、九州で花を見たが、まだ四国でこの花を見ていない。そのうち全国制覇したいものだ。
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