タイワンショウキラン(台湾鐘馗蘭)

Acanthephippium sylhetense


タイワンショウキラン

  • 科名・属名 : ラン科 エンレイショウキラン属

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     根茎は短く、根は紐状。
     地上茎は太くずんぐりし、長楕円状円筒形で直立、長さ約10cm、乾膜質で卵円形の葉鞘がある。
     葉は普通2〜3個つき、葉身は楕円形で長さ20〜40cm、幅7〜10cm。先は鋭尖頭、太い脈がある。
     花は側生した高さ約15cmの花茎の先に、総状に3〜5花つき、上向きに咲き、壷状で黄白色、開口部の内側に濃赤色の斑紋がある。苞は卵形で鋭頭、長さ約3cm。萼片はそれぞれ中ほどまで合着し、背萼片は長楕円形で鈍頭、長さ約3.5cm、幅約1.4cm、側萼片は斜三角形で少し大きく、基部は蕊柱と合着する。側花弁は長さ約3cm、幅約1.5cm、萼片に包まれ、下半部は細まって萼と合着する。唇弁も萼片に包まれ、白色で中央裂片は黄色、基部は著しく反曲して3裂し、側裂片は楔状長楕円形、中央裂片は長楕円形。

  • 分布・生育地 :
     九州(屋久島、奄美大島、徳之島)、沖縄 (国外:中国〜ヒマラヤ、台湾)
     亜熱帯〜熱帯の常緑広葉樹林下

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年4月28日  沖縄県西表島
     中・花序、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     「今年こそ咲いてくれるだろうか」、近づくにつれて動悸が高まった。そっと林下を覗き込むと花が見える。
     数年前から株の所在は確認していたものの、日当たりのせいか、栄養状態のせいか花を付けていなかったのだ。
     ハブに注意しながら花に近づく。3個花を付けている。1個はやや遅めだが、1個は新鮮だ。パイプのような形の花、白地に赤橙色の斑紋が広がっている。黄色の唇弁が印象的だった。
     ラン科の自生株の撮影も200種を越えてくると、なかなか新しい出会いは難しくなる。
     ラン類全体が激減しているうえに生育数が少ない花に出会える確率は低く、そんな花に出会えた時は満ち足りた気持ちになれる。

  • 葉

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花序

花