タカサゴサギソウ(高砂鷺草)

Peristylus tetaculatus


タカサゴサギソウ1

  • 科名・属名 : ラン科 ムカゴトンボ属
     注.APG分類では学名の種名は(formosanus)

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの多年草。
     葉は根元にロゼット状に4〜6個つき、葉身は狭長楕円形〜広披針形、長さ7〜20cm、幅1.5〜4cm。茎葉は広線形で茎に圧着する。
     花は茎頂に総状に多数つき、淡黄緑色、径約3mm。。背萼片は長楕円形〜楕円形、長さ3〜4mm、幅約2mm、側萼片は同形、同長で、反り返らず、背面の先に中脈から伸びた突起がある。側花弁は長楕円形〜楕円形、長さ3〜4mm。唇弁は十字形に3裂し、中央裂片は長い舌状で長さ1.5〜2mm、やや後方へ反り返り、側裂片は糸状で長さ5〜8mm、真っ直ぐ横に開く。距は嚢状、先はやや尖って前方に張り出し、長さ約2mm。蕊柱は平たく短い。

  • 分布・生育地 :
     沖縄 (国外:台湾)
     日当たりのよい湿地、草地

  • 花期 :  10〜3月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年1月26日  沖縄県西表島
     中上・全体2、中下・花    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・果実 2019年4月2日  沖縄県国頭郡
     右下・葉 2015年11月29日    同  上

  • 撮影記 :
     この属の花は、唇弁の側裂片が髭のように伸び、その形が種ごとに違うところが面白い。この花の髭の伸び方はさしずめカイザー髭とでも言おうか、真っ直ぐ横に伸びている。
     真冬の沖縄・八重山諸島は、行くまでは青空の暖かい亜熱帯をイメージしていた。ところが、本州に冬将軍が訪れると、張り出した高気圧の縁を回って湿った北東風が吹きつけ、曇天や小雨の日が多い。
     この花を撮影した日も、風が強くどんよりと曇っていた。しかし、草原に生えるので、かえって曇天の日の方がバックがごちゃごちゃ写らずきれいに撮れる。
     図鑑には花期は夏になっているものの、12月に行った時は咲き始め、1月はピークだった。秋〜春が花期と思う。
     同じ沖縄でも沖縄島での花期は秋で、冬に訪れるとすっかり果実になっている。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
タカサゴサギソウ2

花

果実