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- 科名・属名 : ラン科 トラキチラン属
- 特徴 :
草丈10〜30cmの多年草。
根茎は樹枝状によく分枝する。
茎は基部が太く、肉質で無毛、疎らにつく鞘状葉は、膜質で、長さ6〜10mm。
花は茎頂に2〜8個つき、花は上下が逆で唇弁が上にあり、微褐色、唇弁の内側や距の背線に紅紫色の細点がある。苞は状卵形、膜質で、長さ6〜10mm。萼片は披針形、長さ12〜15mm。花は側花弁は萼片と同形、わずかに短く、萼片とともに下向きに中開する。唇弁は側花弁と同長、3裂し、側裂片は卵形で小さく、中央裂片は背面が膨らみ、鈍頭、縦の4〜6本の突起列があり、縁はがややちぢれる。距は唇弁の後ろにあり、楕円形で直立し、唇弁より少し短く、長さ6〜8mm。
- 分布・生育地 :
本州(東北〜中部地方)、北海道 (国外:ユーラシア大陸の冷温帯〜亜高山体) 亜高山の針葉樹林下
- 花期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1986年8月19日 静岡県富士山 中上・全体2 2007年9月1日 長野県八ケ岳 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 同 上 下・花2 1986年8月19日 静岡県富士山
- 撮影記 :
深山に生え、開花期も8〜9月ということから、以前は非常に珍しい植物だった。
山梨県のある山の登山道周辺に生えると聞いて夏山シーズンも終了した9月に探しに出かけた。
割合に簡単に見つかったが、パラパラと1〜2本づつ生えているだけだった。
花はアップで見ると、普通の花と異なり唇弁が上になるイイダコそっくりの面白い形をしている。
その後静岡県で撮影した。十数本の群生が何箇所かあり、喜ぶというより気が抜けてしまった。
2007年、八ヶ岳で久し振りにこのランと再会した。3ヶ所目の自生地である。
群生する花も見応えがあるが、緑のコケの上に数本生える姿も風情があった。
和名はこの花の発見者、神山虎吉にちなんでつけられている。
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