トサカメオトラン(鶏冠夫婦蘭)

Geodorum densiflorum


トサカメオトラン1


  • 科名・属名 : ラン科 トサカメオトラン属

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの多年草。
     地下に長さ4〜5cmの扁球形の偽鱗茎が数個あり、先端に葉をつける。
     葉は2〜4個つき、葉身は線状長楕円形〜楕円状長楕円形、長さ20〜35cm、幅4〜9cm。表面には多数の縦脈がある。
     花は下方の葉腋から伸びた花茎が上の方で下に曲がり、その先端の長さ3〜5cmの花序に密につく。花は白色かやや紅色を帯び、長さ約1cm。唇弁は船形で上面に紫条があり、基部中央に黄色の突起があり、赤紫色の横筋とかすれが少しある。蕊柱は長さ約5mm。
     花後花茎は直立し、果実(刮ハ)は長楕円形、長さ2.5〜3.5cm。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(沖縄島、八重山諸島) (国外:台湾、フィリピン、東南アジア、インド)
     山地の明るい林下、林縁、草地

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1985年7月12日  沖縄県西表島
     中1・全体2 2008年7月25日    同  上
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・花1 2004年7月9日    同  上
     中3・花2 2008年8月23日    同  上
     中4・果実1    同  上
     左下・果実2 2022年4月16日  沖縄県石垣島
     右下・葉 2018年11月1日    同  上

  • 撮影記 :
     花茎が上に伸びたあと急に下を向き、その先に花が咲くという面白い咲き方をするラン。ただ、果実時には花茎はまた直立する(左下の写真)。
     この写真は八重山諸島の西表島で1985年撮影した。当時は林縁や草地でそこそこの数が見られたが、2004年に訪れた際は開発や道路拡張で大きく減少していた。
     しかし、西表島では比較的多いランで、道路が新しく造られた後しばらくすると、かなりの数が見られることが多く、パイオニア植物の一つのような気がする。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
トサカメオトラン2

花1

花2

果実1

果実2