|
- 科名・属名 : ラン科 ツチアケビ属
注.APG分類では、ツチアケビ属は(Cyrtosia)
- 特徴 :
草丈50〜100cmの腐生ラン。
全体に褐色で、茎は太く、上部はまばらに分枝する。
花は複総状花序となって多数つき、黄褐色で半開。萼片、側花弁は長楕円形で、長さ1.5〜2cm。唇弁は広卵形で、萼片より少し短く、縁は細かく分裂し、内面に突起が多い。
実は紅色でソーセージがぶら下がったようになり、長さ6〜10cm。和名はこれを土から直接生えたアケビに例えた。
ごく稀に花や実が鮮黄色のものがあり、
キミノツチアケビ(f. flava)(右下の写真)と呼ばれる。
- 分布・生育地 :
北海道(南部)〜九州(徳之島まで) (国外:朝鮮、中国南西部) 落葉樹林下やササ原の中
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1988年6月19日 千葉県君津市 中1・全体2 2016年6月28日 大分県由布市 中2・群生 2023年6月20日 東京都あきる野市 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花序 2023年6月20日 同 上 中4・花2 2018年7月3日 神奈川県箱根 中5・果実 2009年9月5日 静岡県伊東市 左下・果実2 2018年8月26日 山口県山口市 右下・キミノツチアケビ 2013年7月20日 広島県 (右下は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
この花には懐かしい思い出がある。小さい頃、実家の裏の林に赤いソーセージをぶら下げたこの花の実が見つかり、「幽霊花」だ「毒がある」と、棒でこわごわつついたことがあった。
花は淡黄褐色で小さく一斉に咲かないためパッとしないが、紅い実になるとよく目に付き、こんなところにあるのかと驚くことも多い。
ただ、丸々と太ったソーセージ状になって多数ぶら下がるのは少なく、シワのままで終わってしまうものや、数個しか実をつけない株も多い。
普通暗い樹林下に多く、毎年同じ場所に生えるようでも、発生場所は微妙にズレるようだ。
右下の写真ように、ごく稀にキミノチツアケビと呼ばれる花が鮮黄色の個体(多分アルビノ)があり、果実も朱赤色でなく黄色のようだ。
同じ科の仲間の花
|