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- 科名・属名 : ラン科 ネッタイラン属
注.APG分類では、学名(T. nipponica var. nipponica)
- 特徴 :
草丈10〜30cmの多年草。
茎は直立し、細くて硬い。
葉は鞘状葉の上に1〜4個が互生、葉身は卵状長楕円形〜長楕円状披針形、長さ5〜10cm、幅1.5〜3cm。先は尾状鋭尖頭、基部は円形で短い柄となる。暗緑色で、笹の葉によく似ていて、5主脈で縦ジワがある。基部には2〜3個の鞘状葉がある。
花は茎頂に短い総状花序となり、5〜10個が密につき、白色で、唇弁の先は濃黄色。苞は披針形で鋭尖頭、長さ2〜3cm。萼片は狭倒卵形、長さ6〜8mm、幅3〜3.5mm、側萼片は卵状舟形、2個が合着し、基部に2個の竜骨がある。側花弁は披針形、長さ約6.5mm、幅約3mm。唇弁は卵状披針形、長さ約5mm、幅3〜5mm、基部は嚢状となり、先は反曲する。蕊柱は長さ約3mm。
- 分布・生育地 :
四国(南部)、九州〜沖縄 (国外:台湾) 暖温帯〜亜熱帯の常緑広葉樹林下
- 花期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1989年7月16日 高知県室戸市 中上・全体2 2008年6月14日 沖縄県国頭郡 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 1989年7月16日 高知県室戸市 左下・花 同 上 右下・葉 2008年6月14日 沖縄県国頭郡
- 撮影記 :
ネッタイラン属は、伊豆七島から沖縄まで3種類知られており、このランは四国(南部)九州〜沖縄と3種の中間のような地域に分布している。
四国で冬に本種の葉を見つけた時は、とてもランとは思えないササの葉のような状態で、何度も通い7月にやっと花を撮影した。
この年はきれいに開花したが、雨の多い年などはつぼみのまま終わってしまうことも多い。
沖縄でもわずかながら生育が確認され、2008年、運良く開花株に出会えた。
翌日は萎んでいたそうで、一つの花が開花しているのはわずかな期間でしかないようだ。
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