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- 科名・属名 : ラン科 ヤクシマラン属
注.APG分類V、Wでは、学名(A. nipponica)
- 特徴 :
草丈10〜15cmの多年草。
地下茎は分枝して横に伸び、時に根の先端が落花生の鞘のように膨れる。鋭尖頭で基部はくさび形、著しい脈があり、無毛。
葉は2〜5個互生し、葉身は広披針形、長さ2〜3cm、幅1〜1.5cm。
花は茎頂に数個総状花序となってつき、黄色で横向きに咲き、径約8mm。花被片は披針形で鋭頭、ほぼ同形で離生し放射状相称、長さ約3.5mm、幅約1mm。唇弁はない。苞は広披針形、長さ約4mm。蕊柱は短く、2個の正常な雄しべと1個の不完全な雄しべが蕊柱の側方を取り囲む。
果実(刮ハ)はバナナ形、種子は楕円状球形、表面に網目模様がある。
- 分布・生育地 :
九州(南部)、屋久島、種子島 (国外:日本固有) 常緑広葉樹の樹林下
- 花期 : 7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2019年7月11日 宮崎県 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
唇弁がないことや、花被片が放射状相称につくことなどから一般のラン科の花とは異質とされ、ラン図鑑では最初に載せられている。
発見された屋久島の和名のつけられたラン、屋久島に花観察に訪れ始めた時から出会いたく、以前見たという自生地を何度も探したが、見つけられず半分あきらめかけていた。
しかし、屋久島と種子島だけに分布するとされていたこの花が九州南部でも見つけられたと知り、その情報をもとに探しに出かけた。
見つけやすそうな情報だったが、いくら探しても見当たらず、少し違った視点で再度探すと、運良く見つけることができた。
しかも、花だけでなく蕾や果実も同時に見られ、何十年もの長い間探していたことへのご褒美を貰ったようだった。
この花を見るという目的は達成したが、今度は最初の発見地屋久島で花を見たいものだ。
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