ヤンバルキヌラン(山原絹蘭)

Zeuxine leucochila


ヤンバルキヌラン1

  • 科名・属名 : ラン科 キヌラン属
     注.APG分類では、学名(Z. tenuifolia)

  • 特徴 :
     草丈20〜30cmの多年草。
     葉は根元に3〜5個つき、葉身は長楕円状披針形〜広披針形、長さ1.5〜3cm、幅1〜1.5cm。鋭頭で、花時には枯れていることも多い。
     花は茎頂に数個〜10個程度つき、白色。苞は広卵形、長鋭尖頭、長さ約6mm。背萼片は卵形、長さ3〜4mm。唇弁は先がY字形に広がり、他の花被片より長い。花茎には開出する白毛がある。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島)〜沖縄 (国外:台湾)
     常緑広葉樹林下

  • 花期 :   2〜4月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1994年3月19日  鹿児島県奄美大島
     中上・全体2 2008年3月1日  沖縄県国頭郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 1994年3月19日  鹿児島県奄美大島
     左下・果実(種飛散後) 2019年4月3日  沖縄県国頭郡
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     奄美大島の原生林内は、新種や分布記録のない種が、現地の植物愛好家の努力で今も発見されている。この花も以前の図鑑では奄美大島の分布は記載がなかった。
     渓流沿いの林の下にポツポツ咲いていたが、教わなければそこにあることも咲いていることもわからないほど目立たない花だった。

     2008年、沖縄・やんばるの林道際で数多くの株に出会えた。「さすがにヤンバルと付くだけあって、本場はすごい」と感心した。
     そのいずれもが林道際に生えているので、林内ならもっと沢山あるかと思って入り込んだが、意外に見当たらない。
     ランに限らず、登山道や林道際には花が多いが、林内はそれほどでもないということが多い。道路際は林内と異なって風が通り、そのことが植物の成長にプラスとなっているのでと思う。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヤンバルキヌラン2

花

果実(種飛散後)