イシヅチテンナンショウ(石鎚天南星)

Arisaema ishizuchiense


イシヅチテンナンショウ

  • 科名・属名 : サトイモ科 テンナンショウ属

  • 特徴 :
     草丈15〜35cmの多年草。
     葉は普通1個まれに2個、花よりやや遅れて展開し、葉身は鳥足状に分裂し、葉軸は発達しない。小葉は5(〜7)個、狭楕円形〜披針形、両端は次第に狭まり、縁に不規則な鋸歯がある。偽茎部はやや短く、葉柄は葉の展開時は偽茎より長くなる。
     花は葉の展開前に開き、仏炎苞は大型、長さ5〜8cm、紫褐色で白条があり、外面はやや緑色を帯びる。筒部は円筒状で上に向かって開き、口辺部はやや開出し、舷部は卵形で先が鋭く尖る。花柄は7〜17cmでほぼ葉柄と同長。
     付属体は太い根棒状、仏炎苞とほぼ同色。

  • 分布・生育地 :
     四国 (国外:日本固有)
     山地のブナ帯の林下、林縁

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     2016年6月8日  徳島県那賀郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・花、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     例年ならこの時期に花が咲くのだが、今年はすでに2週間前に開花していたと聞き、半分あきらめの気持ちで登山道を上がった。
     最初に出てきた株は仏炎苞が枯れシワシワになった状態、やっぱり無理かと思った瞬間、咲いている花が目に入った。
     私の訪れを待っていてくれたかのように新鮮な状態の花、1株だけだったが奇跡的な出会いだった。
     四国の高地に生え、高さが30cm以下、5〜6月に咲く茶褐色のテンナンショウはこの花しかないのでわかりやすいが、個体数はごく少ない。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
花(仏炎苞)

仏炎苞裏側

付属体