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- 科名・属名 :
サトイモ科 テンナンショウ属
- 特徴 :
草丈15〜40cmの多年草。
雌雄偽異株で雄株から雌株に完全に転換する。球形は扁球形。
葉は普通1個、鳥足状に5〜7(-9)個の小葉がつく。小葉は卵形〜楕円形、先は尖り、しばしば中脈に沿って白斑があり、縁は全縁か粗い鋸歯縁。葉柄は10〜25cm、偽茎や花序より長い。
花は葉よりも下につき、2〜6cmの花柄がある。仏炎苞は濃紫色、稀に黄緑色、白い縦条があり、しなやかな革質で厚く大きい。筒部は円筒状で上に開き、口辺部から舷部にかけて中央部が盛り上がり、縁はやや内側に曲がって幌のようになる。舷部は三角状長卵形、先は初め斜上し、後に垂れ下がって筒口部を覆う。
付属体は太い円柱状で、先はしばしば黄白色になる。
別名 ヒメテンナンショウ
- 分布・生育地 :
九州(中南部、含む屋久島) (国外:日本固有) 山地の林下
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年5月29日 鹿児島県屋久島 中上・全体2 2022年5月10日 宮崎県宮崎市 中中・全体3 2017年5月17日 鹿児島県霧島 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 同 上 左下・花2 2022年5月10日 宮崎県宮崎市 右上・葉1 2017年5月17日 鹿児島県霧島 右下・葉2(斑入) 2022年5月10日 宮崎県宮崎市
- 撮影記 :
屋久島の林道脇、長さ30cmもありそうな黒紫色の仏炎苞をつけたテンナンショウが目に入った。花の感じはキリシマテンナンショウである。近づいてみると間違いなく本種で、やや末期の花だった。
別名ヒメテンナンショウというので、小さな花をイメージしていたのが、あまりの大きさにびっくりした。ここまで大きいと、テンナンショウ属の不気味さよりも、圧倒する迫力を感じる。卵形の小葉もすっかり展開しており、道の途中にあった大きな葉のテンナンショウはこの花だったのかと納得した。
ただ、時期が遅いせいもあり、花が残っている株は何株もなかった。
後日、鹿児島県の霧島でこの花に出会った。
屋久島ほど数はなかったが、和名の由来となった場所での出会いに感動した。
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