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- 科名・属名 : サトイモ科 クワズイモ属
- 特徴 :
草丈1〜2mの多年草。
茎は地下では球茎になるが、時には地上部で露出して棒状になり、葉痕が輪状になる。
葉は楯形、葉身は広卵形、長さ60〜100cm、幅15〜45cm。先は鋭頭、基部は心形、側脈は9〜13対あり、中央脈から直線状に葉縁に伸びる。葉柄は60〜120cmで太い。
花は花茎の先につき、仏炎苞は緑色でやや白色を帯び、筒部は長楕円形、長さ4〜8cm、舷部はボート状で筒部部よりやや長い。花序は円柱形で黄白色、長さは仏炎苞とほぼ同長。花序の雄花部と上部の仮雄しべは狭円錐状。花茎は長さ15〜25cm。
花後舷部は脱落するが筒部は宿存し、果実が熟すと反り返る。
果実(液果)は赤色に熟し、裂けて反り返った筒部の内部から露出する。
- 分布・生育地 :
四国(南部)、九州(南部)〜沖縄 (国外:中国(南部)、台湾、インドシナ〜インド) 低地の常緑樹林下
- 花期 : 5〜8月(沖縄では3〜4月)
- 撮影月日・場所 :
上・全体 1989年7月16日 高知県室戸市 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中・花序 2007年4月30日 沖縄県西表島 左下・果実 2019年5月13日 沖縄県石垣島 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
サトイモの葉や葉柄の長さを倍くらいにした植物を思い浮かべてもらいたい、それが本種である。四国のある岬で初めてこの花を見たときは、その大きさにびっくりした。
南方系の植物で、南の島にいけば林下で必ずこの植物を見ることができる。
ただ、花は思ったより細長くて、葉の陰で気がつかないことも多いが、沖縄で3〜4月、四国や九州では5〜8月に咲く。
花のときは気がつかなくても、赤い果実のときは目立つので見逃すことはない。
西表島にはフィリピンに自生している、草丈が3〜6mにもなるおばけのようなクワズイモがあり、ヤエヤマクワズイモとして別種とされているようだが、まだ目にしたことはない。
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