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- 科名・属名 : サトイモ科 テンナンショウ属
注.APG分類では、学名(A. nikoense subsp. australe)
- 特徴 :
草丈15〜50cmの多年草。
葉は2個(時に1個)で、5(〜7)個の小葉からなる。小葉は倒卵形〜狭楕円形〜披針形で、両端は次第に細まり、縁には時に不規則な鋸歯がある。緑色で時に紫褐色を帯び、小葉間の葉軸は発達しない。普通偽茎部と葉柄部の長さはほぼ同長で10〜20cm。偽茎部の開口部は花序柄に密着し、襟状に開出しない。
花は葉よりも早く展開し、花序柄は花時には葉柄よりはるかに長い。仏炎苞は紫褐色から帯紫色で、時に緑色を交え、白条が目立ち、長さ6〜12cm。筒部は淡色で口部は開出せず、舷部は卵形で先は次第に尖り、舷部の最も幅の広い部分は2.5〜4cm。
付属体は細棒状〜やや根棒状、淡紫褐色で班があり有柄、径1,5〜4mm。
- 分布・生育地 :
本州(山梨・静岡県、近畿地方南部) (国外:日本固有) 山地のブナ帯林下
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1997年5月5日 静岡県伊豆半島 中1・全体2 2023年5月20日 静岡県富士山 中2・全体3 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花(仏炎苞)1 1997年5月5日 静岡県伊豆半島 中4・花(仏炎苞)2 2023年5月20日 静岡県富士山 左下・付属体、以下全て 同 上
- 撮影記 :
伊豆の山中で多くのテンナンショウ類に出会い、すっかり訳がわからなくなった。
当初この花を、オドリコテンナンショウ(「静岡県植物誌」の記述によれば、偽茎は割合短く、花柄は7〜10cmで葉柄と同じくらい。葉は2個で小葉は5個、葉鞘辺は薄くて反る。花は葉より先に展開し、筒部は舷部より短い)としていたが、仏炎苞の筒部が舷部より長い点などから、どうもオドリコというには無理があるようだ。
花の感じや色から該当しそうな仲間を当った結果、本種ではないかと判断とした。
2十数年後、富士山の林下で久し振りにこの花に出会った。
林下は鹿の食害が酷くて草本はほとんどなく、鹿の食さないテンナンショウ類だけが目立った。
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