ツルアダン(蔓あだん)Freycinetia formosana |
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茎の長さ10mにもなる常緑の蔓性低木。 茎は太さ2〜3cm、分枝し気根を出して樹幹によじ登るか崖に下垂する。 葉は線形で長さ40〜60cm、幅2〜4cm。先は尖り、縁に短い鋸歯状の刺が、葉の下部の縁には長さ1mm程度のとがが、裏面主脈上にも短い刺がある。葉の基部は鞘状となる。 花は雌雄異株で、枝先の10〜15cmの軸の先につき、3〜4本の肉穂花序を束生する。花穂は長さ7〜9cm、径1〜1.5cmの円筒状で多数の雄花、雌花を密生する。花軸の下部には淡黄色で葉状の苞がつく。 果実は集合果で、円筒形、長さ8〜13cm、径約1.5〜2cm、赤熟する。 沖縄(石垣、西表島) 常緑樹林内 2011年5月24日 沖縄県」西表島 中 同 上 下 2011年5月23日 同 上 日本では沖縄八重山諸島に分布し、現地ではそれほど稀な植物ではないが、花の時期に訪れる機会が少なく、また花つきにも表裏があって、綺麗な花にめぐり合っていなかった。 そこで、この花を目当てに日程を組み、西表島に出かけた。 この年はちょうど当たり年だったようで、林道際の崖地や樹幹を這い登る蔓に多くの花が見事に咲いていた。 花はむせるように強い甘い香りがし、地元の人に聞くと、花穂を取り巻く黄白色の紙のような苞を、お菓子代わりに食べることもあるようだ。 同じ科の仲間の花 |
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