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- 科名・属名 : トチカガミ科 トチカガミ属
- 特徴 :
水中に生える多年草。
茎は水中を横に這う走出枝の節に数個の葉と根毛の発達した根を多数つける。
葉は水面に浮かび、葉身は円心形で径4〜7cm。基部は心形、縁は全縁。両面無毛で、葉の裏面中央には浮嚢があって浮袋の役目をする。葉は密集すると抽水葉となって水上に立つことがあり、その場合浮嚢は痕跡を残すだけになる。葉柄は長さ5〜20cm。葉の基部に托葉が2個あり、長さ2.5〜3.5cm。
花は雌雄同株で、雄花は苞鞘に1〜16cmの柄があり、この内に4〜6個の雄花ができる。そこから長さ3〜8cm。径約1mmの細い花柄を伸ばし、水面上に花を1個咲かせる。花は1日でしぼむ。雌花の苞鞘には柄がなく、内に1個の雌花ができ、長さ3〜8cmで、径3〜4mmの花柄を伸ばし、水面上に花をつける。雄花の花弁は3個、広楕円形、白色で基部は黄色、長さ7〜15mm、12個の雄しべと3個の仮雄しべがある。萼は3個、楕円形で、白〜白緑色、長さ約5mm。雌花は3個の花弁と萼片があり、雄花と同様。花柱は6個で先は2裂し、6個の仮雄しべがある。
果実は卵形〜長楕円形で肉質。種子は楕円形で多数ある。
- 分布・生育地 :
本州〜九州 (国外:アジア、オーストラリアの温帯〜熱帯域) 湖沼、ため池、水路<
- 花期 : 8〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年8月29日 新潟県新潟市 中・全体2 1997年9月6日 茨城県鹿島郡 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花、右下・葉 同 上
- 撮影記 :
別の水生植物を探しに訪れた茨城県の水郷地帯、水田脇の深い溝にこの花が繁茂し、押し合いへし合いしていた。結果、普通は水面に広がる葉も水上に立っている葉が結構あった。
それまであちこちでこの花を探していたが、ある所にはあるものだ、こんなに密生して生えるものとは思わなかった。
水生植物は、水の汚れや増水などの影響を受けやすく、今年沢山見られたからといって、来年も同じような光景を目にできるとは限らない。また、湿地も埋め立てられることが多く、過去の記録も当てにならない。いざ撮影しようとなると結構苦労する。
和名のトチはすっぽんの意味で、円く光沢のある葉を鏡に見立ててつけられている。

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