アケビドコロ(木通・通草野老)

Dioscorea pentaphylla


アケビドコロ1

  • 科名・属名 : ヤマノイモ科 ヤマノイモ属

  • 特徴 :
     数〜数十mになるつる性の多年草。
     長さ1〜1.5mの太い塊根があり、茎を伸ばす。
     茎は分枝し有稜、多少刺があって黄褐色の毛が密にあり、しばしばムカゴを生じる。
     葉は普通5個(稀に3個)の小葉からなる掌状複葉、小葉はやや披針形で長さ5〜15cm、幅2〜3cm。先は急鋭尖頭、基部はくさび形で全縁。質は膜質で両面にやや褐色の毛がある。葉柄は長さ5〜15cm、黄褐色の毛が密生する。
     花は総状花序ないなって下垂し、雄花序は複生して長く、1〜2個の枝があり、花は単生で密生し小型、花被片は黄緑色、6裂してやや肉質、裂片は短く車輪状でやや円錐状に接合する。雄しべは6個、内3個が完全で、残り3個は不完全。雌花の花被片は幅約3mmで雄花より著しく大きい。
     果実(刮ハ)は長楕円形で長さ2〜2.5cm

  • 分布・生育地 :
     沖縄 (国外:インド〜東南アジア、ポリネシア)
     山地の林縁

  • 花期 :   10〜11月?

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年11月5日  沖縄県国頭郡
     中上・全体2、以下中下・果実、右下(ムカゴ)を除き    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・果実  2017年11月6日  沖縄県名護市
     右下・ムカゴ 2015年10月6日    同  上

  • 撮影記 :
     沖縄島北部、山間の林縁を埋め尽くすように広がっている蔓性の植物、葉が掌状複葉になるのが特徴のヤマノイモ科のこの花だった。
     しかし、地元の花仲間が何度も訪れているにもかかわらず、花の咲いているのを見たことはないとのことだった。
     そのうち、どうやら秋に花をつけることを知り、花の時期に合わせて沖縄行きを計画した。
     その1週間前「今、現地に来ているが花盛り、ただ蕾も沢山あるので来週でも大丈夫だろう」との電話をいただき、出かける前からもう花に出会った気でいた。
     ところが、現地を訪れると花は全く見当たらない。先週蕾だったという株もすっかり花が終わっていた。
     沢沿いの藪を奥に入ろうとすると、通りがかった地元の方が「この辺は攻撃性の強い台湾ハブとの雑種がいるから気をつけろ」と言われたが、花を見ずに帰るわけには行かない。
     藪を掻き分け何とか咲き残りの花はないかと探しまくり、まだ黄緑色の花弁のついた雌花をやっと2〜3本見つけ、ホッと胸をなでおろした。
     ほぼ一斉に咲き、花期も数日と短いようなので、ちょうど花期に当たらないと花が見られなかったのだろう。

  • 葉

    ムカゴ

    同じ科の仲間の花
アケビドコロ2

雌花序

雌花

果実