
|
- 科名・属名 : ヤシ科 ノヤシ属
- 特徴 :
高さ7〜10(〜15)mの常緑高木。
幹は径20〜40cm、基部はさらに肥大し、上部の1mほどは緑色で粉白色を帯びる。
葉は羽状複葉、幹の先端に集まって10〜12個が叢生する。葉は長さ1〜3mになり、50〜60対の小葉がある。小葉は狭披針形、長さ30〜40cm、幅約2.4cm、先は尖る。質は革質、表面に光沢がある。葉柄は長さ45〜60cm。葉鞘は長さ1m程度になる長い筒状。
花は幹の先端の葉群の直下につき、ほうき状に分枝し、長さ約1m、紡錘形の総苞に包まれ、基部は広がって茎を抱く。花は淡黄色、3個が並んでつき、中央が雌花、両側が雄花。雄花の花弁は3個、卵状長楕円形で、萼片の2倍の長さがある。萼片は3個、三角状卵形で先は円形。雄しべは6個、花弁よりやや短く、葯は丁字状につく。雌花は球形、花弁は卵状楕円形、長さ約3mm、雌しべは歪んだ卵形、長さ約2mm、3個の花柱がある。萼片は3個、花弁と同形で同長。
果実(核果)は卵状楕円形、長さ約1.2cm、11〜12月に熟す。
- 分布・生育地 :
小笠原諸島(父島・母島) (国外:日本固有) 山地林内、やや湿った沢沿いの窪地
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2011年7月3日 東京都小笠原諸島 下・全体2(植生状況) 同 上 (全て拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
ノヤシ属は日本では小笠原諸島だけにノヤシが分布しているが、近縁種は南太平洋やオーストラリア北部に数種が分布しているだけで、なぜ遠く離れた小笠原諸島に分布しているのかわかっていない。
小笠原諸島は本土から1000kmほど離れた太平洋上の孤島で、固有種の比率が高いことで知られている。
この木も父島と母島のみに知られているが個体数が少なく、残念ながら遠くからの写真しか撮影できなかった。
同じ科の仲間の花
|