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- 科名・属名 : ヤシ科 ビロウ属
注.APG分類では、学名(L. boninensis)
- 特徴 :
高さ7〜10(〜20)mの常緑高木。
幹は直立し、基部は膨らみ、主根はなく無数の細根が束生し幹を支える。
葉は幹頂に集まってつき、葉身は円形で、径90〜120cm、掌状に中〜深裂し、多数の裂片に分かれる。裂片は線形で内折し、先は長い2つの裂片に分かれ下垂する。葉柄は長さ約1m、逆さの刺があるか時にないものもある。
花は幹頂に近い葉腋に長さ約1mの円錐花序となり、多くの枝を分け多数の花をつけ、長い柄がある。花は両性、黄緑色、長さ約4mm。花弁は3個、卵形〜倒卵形、萼片より長く、花時にも平開せず直立し、基部で合着する。萼片は3個、広卵形で斜開し、基部は合着してコップ状になる。雄しべは6個、花弁より短く、花糸は基部で合着し環状になり、葯は心形。雌しべは3個の心皮からなるが、花柱は合着して1個となり短い。
果時には花序全体が下垂、果実(核果)は狭卵形で、長さ2.5cm、胚が上半分に位置し、青紫色に熟す。
- 分布・生育地 :
小笠原諸島 (国外:日本固有) 海岸から山地の風がよく当たる乾燥した傾斜地
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2011年7月2日 東京都小笠原諸島 下・全体2 2011年6月26日 同 上 (全て拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
小笠原諸島は東京都ではあるが本土から1000km以上離れた太平洋の孤島で、固有種が多いことで知られ、一度は訪れたい場所だった。
しかし、飛行便はないうえ船便も夏期を除き週1往復で、勤めている内はとても花見に出かけられなかった。
定年退職後やっと念願がかない島を訪れたが、木本類の固有種が多く、不得意だった樹木をしっかり予習して出かけた。
この樹も小笠原の固有種で、四国〜沖縄に分布するビロウの仲間で、果実や葉が大きいことなどが違いとされている。
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