- 科名・属名 ： ヤシ科 シュロ属
- 特徴 ：
高さ３〜７（〜１０）ｍの常緑高木。帰化？
幹は直立し、径１０〜１５ｃｍ。上部は枯れた葉柄と残存する葉鞘網で覆われる。
葉は扇状円形〜円形、径５０〜８０ｃｍ、扇状に多数の裂片に深裂する。裂片は線形、幅１．５〜３ｃｍ、内折し、先は鈍形で浅く２裂、古木なると先が垂れ下がる。葉柄は太く、断面は倒三角形で、長さ１ｍ、幅４〜５ｃｍ、基部付近に歯牙と刺状突起がある。
花は雌雄異株か雑居性で、花序は葉腋から長さ３０〜４０ｃｍの円錐花序を出す。雄花序には雄花のみがつき、淡黄色で、ほぼ球形。花弁は３個、広卵形で先は鈍形〜円形、長さ約３ｍｍ、花時には平開せずほぼ直立する。雄しべは６個、花弁より長く花外に突出し、花糸は円柱状になる。萼片は３個、卵状楕円形で先は鈍形、長さ約１．２ｍｍ、花時には斜開する。雌花序には雌花と両性花がつき、雌花は淡緑色で、３個の雌しべがあり、６個の退化雄しべがある。花柱は３個、子房より短く、先は浅く３裂する。
果実（液果）は扁球形、長さ１０〜１２ｍｍ、幅６〜９ｍｍ、緑黒色に熟す。 - 分布・生育地 ：
九州（南部）？（逸出帰化の説あり）（関東地方以西で逸出野生化） （国外：中国）
林縁、市街地 - 花期 ： ５〜６月
- 撮影月日・場所 ：
上・全体１ 2020年5月12日 神奈川県川崎市
中上・全体２(雄花序)、以下全て 同 上
(上、中上は拡大写真あり、写真をクリック） - 撮影記 ：
葉柄基部の繊維が強く、耐水性があるため、シュロ縄やほうき、たわしなどに使われ、暖地を中心に広く栽培されている。
中国が原産で、日本では九州（南部）のものは自生と言われるが、逸出の説もある。
関東地方以西では種子が風によって運ばれ、市街地を中心に野生化している。
写真の株も多摩丘陵の林縁に生えていたもので、逸出野生化であるが、近場で植えられているものは見かけず、どこから種子が飛んできたのだろうか。
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