- 科名・属名 ： ヤシ科 ヤエヤマヤシ属
- 特徴 ：
高さ１０〜２５ｍの常緑高木。
幹は直立し、単一で分枝せず、径２０〜３０ｃｍ、基部はさらに肥大し、葉の落ちた後は環状紋となって残る。樹皮は淡灰褐色で、幹の上部は葉の基部の葉鞘に包まれる。
葉は羽状複葉で、幹の先端に集まってつき、葉身は４〜５ｍ、９０対前後の小葉からなる。小葉は線状剣形、長さ３０〜７０ｃｍ、幅３〜４ｃｍ。先は浅く２裂し、質は光沢ある革質で鮮緑色、裏面は緑色で、中肋に沿って褐色の鱗片がある。葉柄は約１ｍ、葉鞘は筒状で樹幹軸をつくる。
花は雌雄同株で、幹の先端の葉鞘の下部から円錐状に２回分岐した長さ１ｍ程度の花序となり、淡黄色の花を多数つける。同一の花序に雄花と雌花がつき、雄花の方が先に開花し、花弁は３個、楕円形で先は三角状で鈍頭、長さ約３．５ｍｍ、幅約２ｍｍ、萼片は３個で離生し、広卵形で先は円形、質はやや厚く、長さ約２．５ｍｍ、幅約２．５ｍｍ。雄しべは６個、花弁より長く突出し、花糸は長さ約４ｍｍで扁平、葯は丁字に着き長さ２〜２．５ｍｍ。雌花は球形、花弁と萼片は３個、卵状楕円形でほぼ同形、長さ３〜４ｍｍ。退化雄しべは３個、扁平な三角形で、長さ約１ｍｍ。雌しべは歪んだ卵形、長さ約２ｍｍ、花柱は３個。
果実（核果）は卵状楕円形、長さ約１．３ｃｍ、幅約７ｍｍ、熟すと赤色から黒色になる。種子は楕円形、長さ約１ｃｍ、多少湾曲し、長い臍がある。 - 分布・生育地 ：
沖縄（石垣、西表島） （国外：日本固有）
海岸近くの常緑樹林内 - 花期 ： ３〜４月？
- 撮影月日・場所 ：
上・全体１ 2011年12月10日 沖縄県西表島
中・全体２ 2019年5月11日 同 上(上は拡大写真あり、写真をクリック）
下・葉 同 上 - 撮影記 ：
ヤシ科は７属があるが、ヤエヤマヤシ属は日本の固有種のヤエヤマヤシだけである。
八重山諸島’(石垣・西表島）に分布しているが個体数はすくなく、どちらの島でも自生地が天然記念物に指定されている場所がある。
高さが２０ｍ位もあり、上の写真のように常緑樹林から抜きん出ている姿を目にするが、花や果実は幹に上部に着くためいい写真が撮れずいる。
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