エンレイソウ(延齢草)

Trillium apetalon


エンレイソウ1

  • 科名・属名 : ユリ科 エンレイソウ属
     注.APG分類では、シュロソウ科(MELANTHIACEAE)

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     葉は3個が茎頂に輪生し、卵状菱形で長さ幅とも6〜17cm。先は急に尖り、基部はくさび形。
     花は茎頂に1個、やや横向きに咲く。外花被片は3個、緑色〜紫褐色、卵状長楕円形で長さ12〜20mm、花後も落ちない。内花被片は普通ない。雄しべは6個、葯は花糸よりやや短い。花柄は長さ2〜4cm。
     果実(液果)は3稜のある球形、径1〜2cm。
     色によって品種が知られており、
     赤いものを、アカミノエンレイソウ(f. rubrocarpum)(中2の花)といい、
     黒紫色のものを、クロミノエンレイソウ(f. atropurpureocarpum)(中4の果実)という。
     この場合、緑色のものは、アオミノエンレイソウ(中3の花、左下の果実)になる。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:サハリン)
     山地のやや湿った場所

  • 花期 :   4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2010年6月6日  群馬県利根郡
     中1・全体2 2005年6月4日  長野県白馬山麓
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・花(アカミ) 2010年5月23日  北海道礼文島
     中3・花(アオミ) 1990年5月14日  北海道札幌市
     中4・果実(クロミ) 2018年7月19日  長野県栂池
     左下・果実(アオミ) 2017年7月12日  岐阜県高山市
     右下・葉 2007年5月12日  北海道礼文島

  • 撮影記 :
     春〜初夏の頃、山に登ると、やや湿った林下や沢沿いなどで見かけることが多い。
     花後、根は漢方薬の材料として使われるようだが、食べられる訳でもないし、長生きの薬でもないようで、和名の延齢草の由来は不明である。
     花は紫褐色のものが多いものの、緑色のものまで色々見られ変化の多い仲間である。
     また、果実(液果)の色によってクロミノエンレイソウ(中4の果実)やアカミノエンレイソウと呼ばれる。
     横向きの花を覗きこみ、果実の色の違いを確認して歩くのも楽しい花見になるだろう。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
エンレイソウ2

花1(アカミ)

花2(アオミ)

果実1(クロミ)

果実2(アオミ)