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- 科名・属名 : ユリ科 ケイビラン属
注.APG分類ではクサスギカズラ科(ASPARAGACEAE)、学名(Comospermum yedoensis)
- 特徴 :
草丈(花茎)10〜40cmの多年草。
根茎は短く、根は太い。
根出葉は基部で背腹方向に重なって束生し、葉身は1方向に曲がった鎌状広線形、長さ(5-)10〜40(-63)cm、幅(3-)7〜25mm。先は端の円い鋭尖形、基部は古い葉の繊維や膜で包まれ、(3-)7〜13脈がある。
花茎は扁平で縁に狭い翼が出る。花序は長さ(1.2-)2.5〜24(-31)cm、円錐花序に鐘形の多くの花が疎らにつく。花被片は長さ4〜5mm、雄花とされる花では、長楕円形で白色〜淡紫色、雄しべと雌しべは花被から突き出て、子房はやや小さく、花柱は長さ約6.5mm。雌花とされる花では、花被片は楕円形で赤紫色、花被片と雄しべと雌しべはほぼ同長。子房はやや大きい。
果実(刮ハ)は球形、径3〜4mm。種子は長楕円形、長さ2〜3mm、茶色で基部に長白毛の束がつく。
- 分布・生育地 :
本州(紀伊半島)、四国、九州 (国外:日本固有) 山中の岩や崖
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2019年7月10日 大分県佐伯市 中上・全体2 同 上 中中・全体3 2007年8月26日 鹿児島県屋久島 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 2019年7月10日 大分県佐伯市 左下・花2 2007年8月26日 鹿児島県屋久島 右下・葉 2019年7月10日 大分県佐伯市
- 撮影記 :
和名のケイビラン(鶏尾蘭)の由来は、葉の曲がった感じが雄鶏の尾の感じに似ていることからつけられている。
最初は紀伊半島で花の終わった株を見たが、なかなか花に出会えず、やっと屋久島の山上で花を見ることができた。
ただ、屋久島の山上にある本種は、株も小さいことや葉の裏に黒い筋があるヤクシマケイビランと呼ばれるタイプ(学名は無く、正式には分けられていない)だった。(中中、左下の写真)
四国や九州では珍しい種ではないので、何とか普通のタイプの花を見たいと思っていたところ、大分県の渓谷の岩場に群生しているのを見つけた。
まだ花の時期ではなかったので、翌年再度現地を訪れ、満開の花を見ることができた。
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